言語には体のパーツという身近なもの使った表現というものがいくつもあり、これは世界各国で見られれます。
それぞれのパーツを使った行為が表すのは文化的な背景により変化するものの、ある程度は共通した認識が存在するのは面白い現象です。
例えばしゃべりすぎたり大げさで偉そうに物事をしゃべることを『大口』といいますが、実は『Big mouth』と英語でも表現し、あまり歓迎されるものではありません。
文化や言葉は違っても着眼点は似ているところが多いのだと感じる部分ではないでしょうか。
さて、そんな中でも『足蹴にする』という表現が存在します。
イメージからあまりいい意味はなさそうに感じますが、今回はこの言葉の意味や使い方を見ていきましょう。
この記事では、「足蹴にする」の意味を分かりやすく説明していきます。
「足蹴にする」とは?の意味
この言葉の意味は『他人のことや気持ちを乱暴かつぞんざいにあつかう』という意味を表しています。
『あしげりにする』とは呼ばず『あしげにする』という部分に注意をしたい言葉です。
『足蹴』だけで『他人のことや気持ちを乱暴かつぞんざいににあつかう』という意味になるのですが、『にする』をつけて使うことが多いのがこの表現の特徴です。
「足蹴にする」の概要
足と手を比べると大きく2つの違いがあることに気が付きます。
一つは足は手と比べて細かな身体操作ができません。
例えば手はものをつかんだり、握ったり、文字を書いたり細かな作業ができますが、足で行うことはなかなかハードルが高いです。
力の強弱をつけるのも足は手と比べると難しい部分となっています。
また、足は手と比べて地面という汚れる部分に常に接している為、清潔なものではありません。
手を洗うことは一日でも頻繁にありますが、足はそのようにはいきません。
この様なポイントに加えて『蹴る』という行為が付与されている言葉ですので、乱暴だけでなくとてもぞんざい物事を扱っているイメージを持つことが簡単にできるのではないでしょうか。
「足蹴にする」の言葉の使い方や使われ方
上記のご説明でかなりネガティブな行為を表す表現であることがお分かりいただけたと思います。
対象の人そのものの存在や好意などを意識するしないに関わらずぞんざいにあつかう時に使います。
大事な同僚との友情を社内出世争いで乱暴に扱うという場合は『彼は長年仲良くしていた同僚を足蹴にして出世争いを勝ち抜いた』などのように使われるのが主な例です。
ちなみに『手を上げる』という言葉がありますが、これは単純に『乱暴や暴力を振るってしまう』ことを表す表現です。
「足蹴にする」を使った例文
・『いくら高野さんのことをよく思っていないといっても彼を足蹴にするのは人としていかがなものだろうか』
・『濱田さんはお金の為なら親でも足蹴にするような冷酷な人だ』
・『人を足蹴にするなんて行為は恥ずべき行為だから止めなさい』
まとめ
如何でしたでしょうか。
今回は体のパーツを使った行為の中でネガティブな表現の『足蹴にする』を見ていきました。
足で行う行為というのは日本語ではあまりいいものがなく、例えば『踏みにじる』などはとても乱暴で心無い行為を指す表現の代表ともいえます。
しかし、国によっては足を使った行為のとらえ方が違うものもあり、例えば英語では何かをスタートするのを『Kick off』と表現します。
しかし『Kick out』にすると『追い出す』や『締め出す』の意味になってしまうので注意したいところです。
この機会に是非体のパーツや体を使った行為で表現する言葉を調べてみるのも面白いのではないでしょうか。