この記事では、「造詣」と「造形」の違いを分かりやすく説明していきます。
「造詣」とは?
「造詣」とは、その分野について広く、そして、深く知識や理解をしていることを意味します。
そのほか、優れた技量といった意味もあります。
簡単に言えば、ある分野において、深い知識や理解があることを「造詣」というのです。
「造詣」の「造」には、つくるという意味以外に極めるといった意味があります。
また、「詣」には、到達する、といった意味があり、そこからも、「造詣」が持つ意味がわかります。
「造詣」の類語には、「学識がある」や「博識」、「精通」などがあります。
「造詣」の使い方
「造詣」の場合、「造詣が深い」や「造詣が浅い」をはじめ、「造詣を深める」、「造詣の深さ」、「造詣のある人」などといった使い方となります。
「造形」とは?
「造形」とは、形あるものを作り出すことを意味します。
漢字で、「形を造る」と書くことからも意味がわかる言葉です。
また、「造形」の場合、縛りなどはなく自由に形つくるといった意味が加わります。
「造形」の類語には、「成型」や「整形」などがあります。
「造形」の使い方
「造形」の場合、「造形芸術」や「造形大学」、「造形美」、「造形力」、「造形物」、「造形方法」、「造形材料」などといった言葉があります。
「造詣」と「造形」の違い
同じ「ぞうけい」と読む「造詣」と「造形」ですが、意味は全く違ったものとなります。
同じ「造る」という漢字が用いられていますが、「造詣」の方の「造」は、「極める」といった意味で、「造形」の「造」は、「造る」そのままを意味する言葉となります。
そのうえで、「造詣」には、その分野について広く、そして、深く知識や理解をしているといった意味があり、「造形」は、形あるものを作り出すといった意味となり、お互いの意味としては、全く異なった意味を持つ言葉となります。
「造詣」の例文
・『私は、もっとヨーロッパの歴史について造詣を深めるため留学することを決意しました。』
・『先生の日本文化における造詣の深さは、本当に素晴らしいです。』
・『様々な分野の音楽に造詣ある彼のことが大好きです。』
・『彼女は、中国語だけではなく中国の歴史にも造詣がある人です。』
「造形」の例文
・『私の夢は、造形大学に進学し多くの作品を造ることです。』
・『自然が作り出す造形美ほど、素晴らしいものはありません。』
・『海外の造形芸術を学ぶため、1年間、留学することになりました。』
・『石や花、草木によって、見事に造形された庭園に感動しました。』
まとめ
同じ読み方でも、意味が全く異なる「造詣」と「造形」になるため、使用する際は必ず漢字を確認し、正しい意味で使い分けることが大切です。
なにかの分野について広く、そして、深く知識や理解をしている場合は「造詣」。
形あるものを作り出すといった場合は、「造形」です。