「過程」と「仮定」は読み方が同じ熟語ですが、意味が大きく異なるため注意が必要です。
双方の詳細な意味や使用する場面について学んで、日本語における知識を深めましょう。
この記事では、「過程」と「仮定」の違いを分かりやすく説明していきます。
「過程」とは?
「過程」は「物事が発生して進行する際の道順」や「物事がある程度に到達するまでの経緯」といった意味があるほか、状況によっては「物事を達成する途中の段階」という意味で使用されることもあります。
最近では「プロセス」と呼ばれることもあります。
「仮定」とは?
「仮定」は「決まっていない物事や確実でない物事などについて、一時的にこうであると想定すること」を意味するほか、「仮に想定した物事そのもの」に対して用いられることもあります。
また、論理学などにおける「命題を導き出す際に必要な前提条件」といった意味も持ち合わせています。
「過程」と「仮定」の違い
「過程」と「仮定」の大きな違いは、双方が持つ意味や品詞にあります。
「過程」は「物事が進んでいく道筋」や「プロセス」を指し、名詞としてのみ使用されています。
一方、「仮定」は「未決や不確実な物事などについて仮にこうと想定すること」を指し、名詞としてだけでなく動詞としても使用できます。
次に、「過程」と「仮定」の違いを分かりやすく解説します。
「過程」の例文
「過程」は「物事が発生して進行する一連の道筋」を意味し、外来語の「プロセス」の同義語としても知られています。
日常生活やビジネス分野など幅広い状況で使用されています。
なお、「過程」は名詞としての役割しか持たないため、「~する」というような用法はありません。
・『わが子の成長過程がよく分かるように写真データを細かく整理した』
・『生産過程におけるリスク管理が重要だ』
・『食材を準備したら、レシピに掲載されている調理過程を参考に料理していきましょう』
・『人間の身体に存在する筋肉の中には、進化の過程で退化した箇所がある』
「仮定」の例文
「仮定」には「決まっていない事柄や確実でない事柄を一時的にこうと想定する」という意味があり、主に学術分野やビジネス分野などで多用されている言葉です。
名詞だけでなく動詞としての役割もあるため、「仮定する」といった使い方もされます。
・『これは仮定の話ですが、自分の身に起こりうると思って真剣に聞いてください』
・『仮定を覆すまさかの状況に、その場にいた全員が言葉を失った』
・『警察はあの男が犯人だと仮定して捜査しているが、自分はそうではないと思う』
・『作ってあげる人がいると仮定して、より楽しく丁寧に料理しましょう』
まとめ
「過程」と「仮定」は同じ読み方をする言葉ですが、意味や品詞、使う場面などに違いがあります。
両者の漢字表記にも注目して、スムーズに使い分けできるようになりましょう。
言葉の雑学としてぜひ参考にしてください。