日本語は同じ単語を重ねてつかう言葉が正式な言葉、幼児語、オノマトペどれにも多く存在するとてもユニークな言語です。
例えば一般的に複数人を表す『人々』や『ドアをドンドンと叩く。』、赤ちゃんなどには車を『ブーブー』と言ったりなどとても豊かな畳語が存在しています。
今回はその中の一つ『重ね重ね』について見ていきましょう。
この記事では、「重ね重ね」の意味を分かりやすく説明していきます。
「重ね重ね」とは?の意味
これは『同じ様なことが繰り返し発生する様子』を表した言葉です。
同義語では『度々』などがあります。
例えば『重ね重ねご迷惑をお掛けしました。』とすると、一度だけでなく何度も迷惑を掛けて申し訳ないという気持ちを表す謝罪の言葉になります。
実これ以外にももう一つ代表的な意味があります。
それは『誰かに対して念入りに頼み込み、相手に自分の本気度や真剣さを伝えようとする様子』です。
例えば、ビジネス文章やメールなどでよく見ることも多いケースとして普通の頼み込みではなく、印象を与える為に、『何卒、重ね重ねお願い申し上げます。』という表現をつかうことをご覧になったことはありませんでしょうか。
この様に大きく2つの意味をもつのが『重ね重ね』という表現です。
「重ね重ね」の概要
もともと『重ねる』という意味はあるものの上に同類の物を載せる意味を持ちます。
これは転じて、同じことを何度も繰り返すことにも使われる表現です。
例えば物理的に衣類を何枚も着る場合は『重ねて着る』という表現をします。
また、概念的なことに対しても同様に使え、何度も繰り返して犯罪や違法行為を起こす人を『彼は悪事を重ねている』という表現をします。
このただでさえ、同じことを繰り返しているのにさらに『重ねる』という言葉を使うということは、かなり深刻な状況や本気度を伝える強調された意味になっているということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
「重ね重ね」の言葉の使い方や使われ方
『重ねる』とは少し異なり、どちらかと言うとこの言葉を使う人間側が相手に対して真剣さや丁寧さを伝える為に使われる強調的な表現として使用されることが殆どです。
物理的な事柄に対してはこの言葉を使う事はありません。
例えば、書類を積み重ねている様子を『書類を重ね重ね積み上げている。』とは表現しません。
他には何度も繰り返し対応するという意味で『重ね重ね対応する。』と使うのも不自然です。
「重ね重ね」を使った例文(使用例)
・『何卒、重ね重ねのご無礼をお許しくださいませ』
・『この度は、重ね重ね本当にお世話になりました』
・『これはこれは、重ね重ねおめでとうございます』
まとめ
如何でしたでしょうか。
今回は畳語の一つ『重ね重ね』を見ていきました。
普通の『重ねる』という言葉とは少し使われ方が違い、感謝や謝罪など心の底からの気持ちを伝える強調として使われるというのが、特徴的な言葉です。
畳語は分かりやすく言葉の意味を強めたり、繰り返しや継続などを表するとても重要な日本語表現ですので、是非これ以外にも知識を深めていっては如何でしょうか。