テレビの報道や交番前に置かれているボードに、重傷者や死傷者という単語を見かけたことはありませんか。
何となく勉強している気になっていても、いざ説明しようとすると難しいのがこの用語です。
この記事では、「重傷」と「死傷」の違いを分かりやすく説明していきます。
「重傷」とは?
重傷とは命に影響がないものの、重い傷を受けた場合につかう言葉です。
交通事故や仕事中のアクシデントなどで、重いケガをしたときに用いられます。
重傷といわれる場合は「全治30日以上の負傷をしたとき」と決まっています。
全治というのは治療にかかる時間をあらわしているので、全治30日以上というと一般的には病院に入院して治療を受けるレベルになります。
また全治30日未満の程度の軽いケガに対しては、重傷とは呼ばないので注意しておきましょう。
ちなみに30日未満の場合は、軽傷とよんで区別をおこなっています。
警察が交通事故の統計をおこなうときには、ケガをした人全般を負傷者とよんでいます。
負傷者の中には重傷者と軽傷者がふくまれています。
「死傷」とは?
死傷とは亡くなることと、ケガをすることの両方の意味があります。
死傷者というと命を落とした人とケガをした人の、両方をふくんだ言い方になります。
たとえば災害が起きて10人死傷したというと、亡くなった人と傷を受けた人があわせて10人いるという意味になります。
デモ隊の衝突などで多くの犠牲者が出たとき、飲酒運転の車が歩行者に突っ込んで複数の人が被害に遭ったときなどに用いられます。
大きな交通事件が引き起こされたとき大規模な災害が起こったとき、被害の全容をあらわしたい場合に報道番組などで良く使われます。
ちなみに警察の交通事故の統計では、死亡者と負傷者の数は分けてカウントをおこなっています。
「重傷」と「死傷」の違い
どちらも「傷」という言葉が付いているので、区別がしにくいこともあります。
「重傷」と「死傷」の違いを、分かりやすく解説します。
・ケガの重さをあらわすのは「重傷」
重傷とはケガの重さをあらわす、ひとつの物差しになります。
事故や災害などで受けた傷が、全治30日以上かかる場合は重傷と呼んでいます。
全治30日未満のものは軽傷と区別しているので、ケガのレベルとしてはかなり重いものになります。
・全体像をあらわすのは「死傷」
ケガの重さをあらわす重傷に比べて、事故や災害の全体像をあらわすのが「死傷」になります。
「重傷」は1人の人のケガの度合いについて述べたものですが「死傷」は死者と負傷者をふくめた、事件や事故の全容をあらわす言葉になります。
1人について述べたものか、複数の人について述べたものかで言い回しも変わってきます。
まとめ
「重傷」と「死傷」の違いについて分かりやすくお伝えしました。
重傷は全治30日以上の重いケガについての言葉。
死傷は亡くなっている人とケガをしている人を総まとめにして伝えた用語です。
違いを正しく知って、ニュースを深堀りしていきましょう。