「陳腐化」と「老朽化」の違いとは?分かりやすく解釈

「陳腐化」と「老朽化」の違い違い

時間の経過とともに起こる変化を表す言葉として「陳腐化」「老朽化」があります。

どちらもよく使われる表現ですが具体的にはどのような状態を指しているのでしょうか。

今回は、「陳腐化」「老朽化」の違いについて解説します。

「陳腐化」とは?

「陳腐化」とは、「時代の最先端だった物や技術が一般に広まったことでありふれたものとなり、当初の希少価値が失われること」という意味の言葉です。

どこにでもある価値の無いもののことを「陳腐」といいますが、「陳腐化」とは「かつては価値のあった物の価値が失われること」という意味で使われます。

一般的には時間の経過や技術の発展によって独自性や希少性などの付加価値が失われてしまうことを指します。

コンピューターが開発された当時、最先端のコンピューターは素晴らしい価値を持つものでした。

開発費も莫大なものであるだけでなく世界に数台しかない希少性も相まって大学や専門機関が特別な予算を組んで導入するほど価値の高いものでした。

しかし、コンピュータの性能進歩は著しく最先端だったコンピューターもわずか数年で性能を追い越されてしまいます。

10年も経つと性能は10倍、価格は10分の1で導入できるほど技術の進歩は著しくあっという間に価値は損なわれてしまいました。

このようにかつて「価値のあった物が類似品や同等品が発展、普及することによってさして珍しくもない存在になること」を指す言葉が「陳腐化」です。


「陳腐化」の使い方

・スマートフォンの普及によりガラケーは陳腐化してしまった。

・パソコンが広まったことでワープロが陳腐化した。

・最新の流行を取り入れた作品ほど陳腐化しやすいものだ。

・パソコン用フリック入力デバイスが普及すればブラインドタッチのスキルが陳腐化するのは明白だ。


「老朽化」とは?

「老朽化」とは、「時間の経過により品質や機能が低下すること」という意味の言葉です。

一般的に「老朽化」というと「古くなって劣化すること」を指します。

新しいときに比べると品質や性能が落ちており安全性や機能性に問題が生じるような状態が「老朽化」であり、メンテナンスや修繕によって対処することは可能ですが根本原因である「時間経過による劣化」そのものを解消することは不可能です。

化学変化や風雨など外部からの影響、駆動時の摩耗など「老朽化」の原因はさまざまです。

単純な時間経過による経年劣化だけではなく繰り返し使用したことによって部品が損耗したことに伴う性能の低下なども「老朽化」に含まれます。

「老朽化」の使い方

・老朽化に伴い橋の架け替えが検討されている。

・マンションの老朽化対策のために修繕積立金を徴収する。

・一見老朽化しているように見えるが適切な主善光寺が施されているので安全性に問題はない。

・築30年を超えると老朽化が目立ち始める。

「陳腐化」と「老朽化」の違い

「陳腐化」「老朽化」の違いは「相対的か絶対的か」です。

どちらも時間がたつことによって起きる価値の低下を指す言葉ですが「陳腐化」が新製品や新技術などと比べて機能や性能が下がっている相対的な価値の低下を表すのに対し、「老朽化」は痛みや摩耗などそのもの自体に問題が生じている絶対的な価値の低下を表します。

ほかと比べて価値が下がるのが「陳腐化」で、比べることなく単独で価値が下がるのが「老朽化」という違いがあります。

まとめ

「陳腐化」「老朽化」はどちらも価値の低下を意味する言葉ですがその内容は大きく違います。

混同することのないようにそれぞれの意味を正しく理解しておきましょう。

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