この記事では、「階級」と「階層」の違いを分かりやすく説明していきます。
「階級」とは?
「階級」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「階級」は「かいきゅう」と読みます。
「階級」には、「身分や地位などの上下の段階」という意味があります。
軍隊などで使用されている言葉で、戦場で亡くなった兵士などが地位を上げるとき、「二階級特進」と呼ばれます。
次に、「階級」には、「政治的、経済的な利害や、イデオロギーを共有することにより、他と区別されたり対立する社会集団」という意味があります。
例えば、「資本家階級と、労働社階級が対立する」などという文章にすることができます。
また「統計上、一定の基準によって分類される階層」という意味もあります。
一般的には、「身分や地位などの上下の段階」という意味で使われることが多くなっています。
「階層」とは?
「階層」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「階層」は「かいそう」と読みます。
「階層」には、「社会的、経済的地位がほとんど同じ程度の集団」という意味があります。
同じ「階層」かどうかは、職業や収入、また財産や学歴、年齢などが基準となり、格付けをされたり識別されたりします。
例えば、同じくらい収入の人々は同じ「階層」に所属し、お金持ちたちの集団を「富裕階層」などと呼ぶことがあります。
一方で、貧しい人たちの集団を「貧困階層」などと呼ぶことがあります。
また「階層」には「建築物の階の、上下の重なり」を意味することがあります。
「階級」と「階層」の違い
「階級」と「階層」の違いを、分かりやすく解説します。
「階級」には、「身分や地位などの上下の段階」という意味があります。
また「政治的、経済的な利害や、イデオロギーを共有することにより、他と区別されたり対立する社会集団」という意味もあり、「階層」と似ている意味は、後者になります。
一方で、「階層」には、「社会的、経済的地位がほとんど同じ程度の集団」という意味があります。
「階級」と「階層」のどちらにも、身分や地位などにより区別された集団という意味があります。
ただし「階級」の場合は、マルクスが提唱した考え方によるもので、「資本家階級」と「労働者階級」と言うように、定義の段階で「対立構造」が含まれています。
一方で、「階層」の場合は、対立構造が前提となっているわけではなく、自由な味方をできる区別となります。
あくまで社会学的な研究材料として使用されていて、お金で区切っても、年齢で区切っても、住む街によって区切っても問題がありません。
このように「対立構造」が前提となっているのが「階級」で、自由に区別できるのが「階層」という違いがあります。
まとめ
「階級」と「階層」の違いについて見てきました。
似た意味を持つ言葉ですが、意味を知ると大きな違いがある言葉だと知ることができました。
意味を知ることで混同せずに使い分けることができるのではないでしょうか。