この記事では、「集落」と「村」の違いを分かりやすく説明していきます。
「集落」とは?
「集落」は(しゅうらく)と読みます。
「人が住む家屋の集合した状態の場所」を意味する、地理学的な概念として使う言葉です。
「聚落」と書き表すこともあります。
似たような言葉に「村落」がありますが、こちらは人間関係などの社会的・文化的な視点で集落を見た場合に使う言葉です。
さて集落や村落についている「落」という漢字ですが、下方に何かが落ちるという意味だけではなく、「定着する」、つまり「落ち着く」という意味もあります。
このことから「集落」 は「集まって定着して住む場所」と理解できます。
英語では“village”、“community”、“settlement”などで表します。
「村」とは?
「村」は(むら)と読みます。
「群」(むら)と語源が同じだとの説もあります。
「村」は行政単位を示す言葉で、よく耳にする「市町村」は「市」「町」「村」を表します。
ちなみに「市」や「町」になるためには特定の条件を満たす必要がありますが、「村」に関しては特に条件はありません。
また行政単位としてではなく、田舎で農業や林業、もしくは漁業などを営む人たちが集まって住んでいる場所を「村」とも呼びます。
一般の人が「村」と聞いて思い浮かべるのが、「田舎で畑を耕して暮らしている」というものでは兄でしょうか。
昔話などにもよく「村一番の働き者」「村で評判のべっぴんさん」など「村」という言葉がよく出てきます。
その他にも「村は」オリンピックの「選手村」などのように、特定の人たちが集まって寝泊まりしている場所を「村」で表現することもあります。
英語では“village”になります。
「集落」と「村」の違い
「集落」と「村」の違いを、分かりやすく解説します。
「集落」も「村」も、どちらも「田舎」というイメージがあります。
しかし「集落」は「家が集まって建っている場所」という地理学的な概念を表す言葉です。
学術的なシーンでは地図などを指差して「ここに集落がある」などの説明をします。
一方で「村」は「行政単位を示す言葉」もしくは「田舎で第一次産業により生計を立てている人が集まって暮らしている場所」を表しています。
「村人」「村長」との表現はありますが、「集落人」「集落長」という言葉はありません。
一般的には「村」の方が、よく使われている言葉です。
ちなみに住民の半数以上が高齢者で、共同体として機能が働かなくなった地域を「限界集落」と、住民がいなくなった地域は「消滅集落」と呼びます。
行政的には、このように過疎化で人がいなくなった村は「廃村」となります。
まとめ
「集落」と「村」は同じようなニュアンスを持ちますが、同一の言葉ではありません。
しかし二つの言葉の違いを知っておく必要はあります。
特に学術的、ビジネス、政治などではしっかりとこの二つの言葉を使い分けられるようにしておくべきです。