人間は色々な過去のことや体験を様々な方法で語る生き物であり、それは自分のキャラ付けとして利用することも多いのが特徴です。
長所を自慢する人は割と多くいるのですが、中には自分の悪い点や欠点をあえて晒す「露悪家」という人も存在します。
この記事では、「露悪家」の意味を分かりやすく説明していきます。
「露悪家」の意味とは?
「露悪家」とは自分の欠点や難点、昔した悪い事件などをあえて晒す人のことを表す言葉です。
これは確信的にやる人の方が多く、人との会話やコミュニケーションに対して戦略的に取る人も存在します。
「露悪家」は自分の悪い点をわざと晒すだけではなく、他人に対しても悪い点や欠点をあげつらう発言をすることが多く、そのために嫌がられることも多いのが特徴です。
「露悪家」の概要
「露悪家」に使われている「露悪」という言葉は、元々夏目漱石が作品中で作った言葉と言われています。
「露悪」は必要以上に悪く振舞うことや開き直るという性格を表すものであり、こちらは「偽善」の対義語として使われています。
「露悪」は特に他人から該当する人物を示して表現する時に使うことが多く、「露悪家は自称する人はあまり多くないのが特徴です。
「露悪家」の言葉の使い方や使われ方
「露悪家」は過剰に自分のことを悪く言うことや、悪いことをしてなにがダメなのかという風に開き直る性格であり、人から嫌われようと構わないという考えが特徴です。
それに対して単なる「露悪」や「露悪的」な行動や発言は、あえて自分の欠点や短所を晒すことにより、隠し立てをしない人間ですというアピールする機能があるので、これを戦略的に使う人もいます。
良い事だけしか言わない人間ではなく善悪両方を隔てなく言う人間ですというアピールすることが可能なこともあり、「露悪」は単純に悪い性格というわけではありません。
「露悪的」な表現というものは文学においても色々な作品で使われており、内容が残虐だったり悲劇的なものに対して使われます。
このような作品を作る作者もまた「露悪家」である可能性も存在しますが、それは物事の明るい部分だけでは見えない闇の部分を丁寧に描こうとした結果なのでしょう。
「露悪家」を使った例文(使用例)
・『彼は年を取ってから露悪家になり、嫌味をよく言うようになってしまった』
・『その作品の悪役は非常に頑固な露悪家であり、死に際でもその性格を改めなかった』
・『毒舌で有名なあの芸能人は最近人気だが、個人的には露悪家だと思っているので好きになれない』
まとめ
人間関係におけるコミュニケーションは複雑なものであり、最近では逆張り芸やコミュニケーションというものも増えてきました。
「露悪家」も物事は綺麗ごとだけじゃないだろうというスタンスから、欠点や短所を晒したりあえて悪く振舞うのでしょう。
毒舌芸能人や批評家なども実際にある悪い点を指摘するという点では、「露悪家」と共通点があるのかもしれません。