物事というのは不思議なものでたとえ目に見えなくとも水面下で音もなく進んでおり、ある一点で急に現れたりすることがあります。
また、結果論ではあるかもしれませんが、物事の成果などは考えてみるとなるべくしてなったという見方もできることがあります。
そんな状況を表すときによく使う言葉として代表的なのが『顕著』と『如実』という言葉です。
すこし堅苦しい言葉ではありますが、ビジネスシーンや小説などでもよく耳にしたり見かけたりする場面は多いのではないでしょうか。
この記事では「顕著」と「如実」の違いを分かりやすく説明していきます。
「顕著」とは
『顕著』とは『誰の目にも明らかではっきりと表れていること』を示すときに使います。
もう少し厳密に説明すると『物事がさらにはっきりと輪郭をもって明らかになっていること』を意味しています。
これはどういう意味でしょうか。
例えばある種の病気に効果が期待される薬が開発され、それが本当に効果があった場合『この薬は〇〇病に対して効能が顕著である。』という表現をします。
もちろん今ある状況がさらにはっきりとする場合などでも『~がますます顕著になる。』という表現をすることもできます。
「如実」とは
一方『如実』とはどいうことでしょうか。
これは『現実や事実のとおりのことがそのまま表れること』を意味します。
平たく言ってしまうと『ありのままが表れる』ということになります。
もともとは仏教用語で『教えの真実や道理にかなっていること』を指す意味でした。
四文字熟語も存在しており、『如実知見』とは『現実をありのままで見抜くこと』を表す仏教用語です。
さてもとの『如実』に戻り具体的な例を見てみましょう。
一生懸命勉強している生徒のテストの成績がいい場合などは『勉強の成果が如実に表れている。』と表現します。
「顕著」と「如実」の違い
この二つの表現の違いは『輪郭をもってはっきりとするのか』か『ありのままで表れるのか』で分けることが出来ます。
もう少しそれぞれを短くすると『著しい』のか『ありのまま』なのかと捉えることもできます。
「顕著」の例文
・『ここ最近は労災件数の顕著な減少がみられる。』
・『日本人の人口減少はここ10年でますます顕著になってきている。』
・『AさんとBさんの経歴に顕著な差はない為、どちらを採用すべきか悩む。』
「如実」の例文
・『奇跡の一本松の写真は津波の恐ろしさを如実に示している。』
・『にじみ出る自身が君の努力に裏付けられていることを如実に物語っているよ。』
・『血の滲む様なチームの努力がこの夏の試合の結果にじょじつに現れていた。』
まとめ
如何でしたでしょうか。
どちらも非常によく目にはしますが以外にも違いが分かりづらい組み合わせではなかったでしょうか。
それぞれの漢字が持つ意味というのをしっかりと理解をして音でなく、文字でも理解をする様にするととても覚えやすくなるので、是非試してみることをお勧めします。