望んでいること、目ざしたいもの、達成したいことを、多くの人が「願望」や「目標」と表現します。
しかしこの二つの言葉には、大きな違いがあるのを知っていますか。
この記事では、「願望」と「目標」の違いを分かりやすく説明していきます。
「願望」とは?
「がんぼう」または「がんもう」ともよみます。
願い、望むことです。
心理学における精神分析で,主に意識されていない欲望のことをさす場合もあります。
似た言葉に、願い事、所願、心願、念願、大願、大望、悲願、希望、本望、〈男子の〉本懐などがあります。
「願望」の使い方
「願」はそもそも、神仏に願う心もちを表す言葉です。
自らの力でなしとげるのが難しいと感じられる望みに対して使用します。
また、人の努力でも叶いますが簡単でなく、過程や道筋が明確ではない場合にも使われます。
「目標」とは?
「めじるし」もしくは「もくひょう」とよみます。
見覚えるための印や目当てのことをさします。
意味が転じて、そこまで行こうとして設けた目印や、行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準を表します。
「目標」の使い方
目で確認ができる印が由来になっています。
手の届かない幻のような夢ではなく、そこにある目的や数字に対して使います。
「願望」と「目標」の違い
「願望」は願い、望むことです。
手が届かない夢やあこがれを仰ぎ見るニュアンスがあります。
望んではいますが、自分の力では叶わないかもしれないと、最初から人があきらめている場合もあります。
また、「願望」になっている対象は最終ゴールである場合が多く、その先は設定されていません。
一方「目標」は進む先にある「目印」なので、そこに到達する強い意志や、計画があります。
最終ゴールではなく、次の「目標」への通過点と考えるのが一般的です。
「願望」の例文
「願望」を使った、代表的な例文をみてみましょう。
・『彼女はとても結婚「願望」が強い女性です』
・『我々の「願望」は恒久の平和です』
・『彼は昔から、栄達をしたいという強い「願望」を抱いていました』
・『ついに、長年の「願望」が叶いました』
「目標」の例文
つづいて、「目標」を使った代表的な例文をみてみます。
・『間違えないように、自分の持ち物には「目標」をつけてください』
・『角にある駐車場を「目標」に、おいでください』
・『努力の末、月商50万円の「目標」を達成しました』
・『ここから見える島を「目標」にして、東へボートを進めましょう』
・『記録では、あの建物が砲撃の「目標」になったようです』
・『なんとなくやらずに、「目標」を立てた方が良いと思います』
まとめ
「願望」と「目標」は、どちらも「何かを得たい」気持ちがベースにある言葉です。
それが最終的な望みならば「願望」を使い、まだその先に望みがあるならば「目標」とするのが適当です。
使い分けるときは、その対象がゴールなのか、途中経過点なのかを考えてみてください。