「駄目出し」
「駄目出し」は「だめだし」と読みます。
ビジネスシーンでも日常会話でもよく登場する言葉ですので、聞き覚えのある人は多いでしょう。
しかし、中には、こういう漢字で表記されることは知らなかったという人もいるのではないでしょうか。
「駄目出し」の意味
「駄目出し」には、「仕事をやり直しさせること」、「他人を批判したり、悪い点を指摘すること」という意味があります。
演劇界で演出家が役者の演技などに改善を促す時に使われていた「駄目を出す」が元になっている言葉といわれています。
「駄目出し」の言葉の使い方
他人がやった作業や仕事などが不十分でやり直しが必要な時に、至らない点を指摘したり、仕事のやり直しをさせることがあります。
この時の指摘や、やり直すように命じられることが「駄目出し」です。
逆の立場から言うと、「駄目出しされた」ということになります。
この言葉は仕事だけでなく、例えば、他人の性格や態度を改善するよう促す時、ファッションを指摘する時などにも使われます。
「駄目出し」を使った例文・短文(解釈)
「駄目出し」の意味と使い方を説明しましたので、ここではこの言葉を使った例文をご紹介します。
「駄目出し」の例文1
「このところずっと落ち込んでいた彼女が、気分転換をするといって美容室で髪型を変えてきました。
全く似合っていないと思いましたが、明るくなった彼女の表情を見て、今は駄目出しするのは止めることにしました」友人や知人など、身近な人の髪型や服装が似合っていないと思った時に、それを正直に伝えるかどうか迷うことがあります。
気心知れた間柄であれば正直に伝えられますが、そうでない場合には似合っていないことを教えてあげた方が親切なのか、そっとしておく方が親切なのか、判断は難しいものです。
「駄目出し」の例文2
「寝る時間を削って取り組んで練り上げた企画書が完成したので、自信を持って提出しましたが、上司からあっさり駄目出しされて心が折れそうです」
自分では完璧だと思っていた仕事でも、別の人からは不十分であると判断されるケースは、多々あるでしょう。
経験や知識の差、立場の違いから、そのような相違が生まれるのです。
至らない点を指摘されたら、素直に受け止める謙虚な姿勢で仕事に取り組むことで、自分を成長させることができるのです。
「駄目出し」の例文3
「家族で食事に出かける時に、履いていた靴下に穴が開いていました。 そのまま出発するつもりでしたが、『すぐに履き替えて』と家族全員から一斉に駄目出しされてしまいました」
自分では些細なことだと思って気にしていないことが、他人にとってはとても気になる、ということは少なくありません。
本人にとっては靴下の穴など取るに足らないことであっても、一緒にいるこの家族には許しがたいことなのです。
自分の価値観に囚われずに、周囲の価値観に合わせることが大切になる場面もあるでしょう。
「駄目出し」の例文4
「長年付き合ってきた彼にプロポーズされましたが、『時間にルーズなのを直してからもう一度言って』と厳しく駄目出ししてしまいました」
相手に対して、性格の欠点を指摘するのはなかなか難しいものです。
指摘の仕方によっては、相手を全否定していると捉えられかねず、やんわりと遠回しに指摘するにしても、ダイレクトに指摘するにしても、他人の欠点を指摘するには、それなりのエネルギーが必要になります。
見ないふりをしないで、エネルギーを使って敢えて指摘してくれる人が身近にいるというのは、実は有難い事なのです。
耳が痛いことを言ってくれる人にこそ、感謝をしなくてはいけないということなのでしょう。