この記事では、銀行での「払い戻し」と「引き出し」の違いを分かりやすく説明していきます。
「払い戻し」とは?
「払い戻し」とは、受け取った金銭を精算して余ったものを返金する意味や、預貯金を預けた人に払い渡す意味や、競馬等で当たった投票券を現金に換える意味などを指す言葉です。
銀行でこの「払い戻し」が使われるのは、2つ目の意味の預貯金を預けた人に払い渡す事を指す言葉となります。
銀行等の金融機関で定期預金や普通預金等に預けているお金を、窓口で支払ってもらう際に記入して提出する帳票の書面タイトルは「普通預金等お支払い(払戻請求書)」や「定期預金お支払い(払戻請求書)」となっており、ここでは「払い戻し」の用語が使われています。
また最近では窓口よりも一般的に使用されるATMは「現金自動預け払い機」と呼ばれ、ここでも「払い出し」または「払い戻し」と考えられる関連用語が使われています。
「引き出し」とは?
銀行等の金融機関で「引き出し」を使うのは、自分の口座に預けているお金を自分のもとに戻してもらう事を指す言葉です。
「払い戻し」と「引き出し」の違い
銀行等の金融機関で使用する「払い戻し」とは、預貯金を預けた人に払い渡す事を指す言葉で、「引き出し」は自分の口座からお金を自分のもとに戻してもらう事を指す言葉で、同義語と言えます。
しかし、この2つの言葉はニュアンスの違い・立場の違いにより使い分けられる言葉と言えます。
銀行等の金融機関から見れば、預金者にお金を支払う事は、預けてもらっていたお金を預けた人に戻す行為となります。
一方で、預けた人から見れば、「払い戻す」の「払い」には違和感を感じる人も居られ、「引き出し」の方がピタッと来る表現だと言えます。
すなわち、金融機関側では「払い戻し」であり、預金者側では「引き出し」と使い分けると分かりやすいと思います。
先に記載した帳票では、「定期預金お支払い(払戻請求書)」等となっており、「払い戻し」はお客様の立場に立つと違和感があるため、()で書かれています。
恐らくは、かつては「払い戻し請求」となっていたであろうと推察されます。
ただし、この帳票は、預金者が銀行にアクションを請求するものなので、「引き出し」ではなく、「支払い」の表現を使っているのです。
さらにATMでは機械操作のボタン表示や銀行のHPの手数料説明等では、「お引き出し」・「お振り込み」・「お預け入れ」となっており、これはお客様が行う行為なので、「払い戻し」ではなく「引き出し」を使っているのです。
まとめ
銀行等の金融機関で使用する「払い戻し」とは、預貯金を預けた人に払い渡す事を指す言葉で、「引き出し」は自分の口座からお金を自分のもとに戻してもらう事を指す言葉で、同義語と言えます。
しかし、使い分けとしては銀行側から見れば「払い戻し」の表現が適しており、預金者側から見れば「引き出し」の表現が、ピッタリ来ると言えるでしょう。