この記事では、「想定最大規模」と「計画規模」の違いを分かりやすく説明していきます。
「想定最大規模」とは?
洪水氾濫などの水災害を防ぐために、降雨などによる河川に対する影響を想定するときに使う言葉です。
想定することのできる、最大規模のものという意味になります。
近年、ゲリラ豪雨の増加や、台風による被害が増えています。
それを受け、平成27年に水防法が改正され、予想することができる最大規模の降雨があったときに、浸水が想定される区域を指定し、浸水想定区域図を公表することになりました。
1000年に1度以下の確率で起きる大雨としているところが多くなります。
日本を、雨が降る時の特性が似ている15の地域に分けて、その地域のなかで過去最大だった降雨量を使い、想定最大外力を設定しています。
これは、管理する河川の近隣で起きたことは、同じように発生する可能性があるという考えに基づいています。
大規模な洪水や、公共の水域などに雨水を排水できなくなる内水、高潮などによる浸水に対応し、避難体制などの強化・充実を、するために作られました。
「計画規模」とは?
洪水を防ぎ、河川を整備するときに使う基準です。
洪水が発生する確率で表します。
例えば、100年に1度発生する大きさなら、1/100確率と表現します。
治水安全度ともいわれる、地域の洪水に対しての安全度です。
10年に1度発生する洪水よりも100年に1度発生するもののほうが、大きな洪水になります。
一級河川では、100~200年に一度の割合で発生する洪水に対して安全な河川管理を行っているところが多くなります。
小さな川では、10~50年とされているところもあります。
「想定最大規模」と「計画規模」の違い
「想定最大規模」は、日本を15の地域に分け、いままで降った雨から想定することのできる、最大規模の大雨のことです。
1000年に1度以下としているところが多くなりますが、1000年に1度来るというわけではなく、1年の間に、発生する確率が0. 1%以下の雨です。
「計画規模」は、何年かに一度発生する大雨を表すものです。
1/100確率などと表し、確率が少なくなるにつれ、大きな災害になります。
「想定最大規模」の方が、大きな災害だといえます。
自治体では、洪水浸水想定区域図を公表していますが、「想定最大規模」の図は、被害が想定できる最大規模のもので、「計画規模」の図は何年かに一度起きる洪水や浸水を表しています。
「想定最大規模」の例文
・『ハザードマップで、想定最大規模で、大雨が降った時のことをチェックしました』
・『想定最大規模降雨に対応した洪水浸水想定区域のなかに、わたしの家が入っていた』
「計画規模」の例文
・『計画規模が1/10に決められているところの近くに住むのは心配だ』
・『計画規模を超える大雨が、局地的に何度も降るようになった』
まとめ
ハザードマップなどで目にすることが多い言葉について説明しました。
この二つの言葉は、水害の起きる頻度が違います。
違いを知って、役立ててください。