物事に対してタイトルを付ける漢字には色々なものがあります。
今回紹介する熟語は「題目」と「題名」があり、意外に用途を間違えやすいものとなっており、気を付けることが必要です。
この記事では、「題目」と「題名」の違いを分かりやすく説明していきます。
「題目」とは?
「題目」は専門的な分野で使われる熟語であり、元々の意味は宗教的な意味を持っていました。
「題目」は宗教の勤行において行われる南無妙法蓮華経のこと記載したものであり、様々な「題目」が現在でも継承されています。
南無妙法蓮華経の「題目」を何度も繰り返して唱える修行を唱題と言い、厳しい修行と共に行うことで色々な悟りを得ることが可能と言われています。
しかし「題目」はこの宗教的な意味合いよりも現代では学問的な分野において使われることが多く、卒業論文や研究のテーマやタイトルという意味として使われます。
またこれらの専門的な学問分野だけではなく、講演や一般的な作品に対する表題を示す時にも「題目」を用います。
「題目」を使った慣用句として有名なのが「お題目」ですが、これは否定的な意味でよく使用されます。
「お題目」は空虚な建前や形式的な文言に対して使われ、これを繰り返す人を批判する時に使われます。
「題名」とは?
「題名」は作品や論文に付けるタイトルであり、内容を短くまとめた言葉を示します。
「題名」は様々なものに対して使うことが可能であり、映画、作品、小説、演劇、論文、講演など色々な場面で使用することが可能です。
英語では「タイトル」という言葉で使われますが、ブログなどの見出しやタイトルなどを「題名」を使うことは多くありません。
「題目」と「題名」の違い
「題目」は元々宗教的な用語としての南無妙法蓮華経を示すものでしたが、今日では研究や卒業論文の表題や講演に対して使われます。
「題名」はより幅広い作品に対して使われるものであり、内容を短くコンパクトにまとめた表題やタイトルの意味があります。
「題名」は色々なものに対して使われますが、研究や論文、講演など本来は「題目」を使うジャンルでも使用することが可能です。
「題目」の例文
・『宇宙の研究をテーマとした論文の題目は非常に素晴らしくまとまっており、内容を早く読みたいと思った』
・『お題目ばかり並べている政治家が最近目立ってきたが、彼らはインターネットでもその振る舞いを続けているので、いずれ化けの皮が?れるだろう』
「題名」の例文
・『最近の映画の題名は、こと説明口調が多くて若者志向なのかもしれない』
・『題名のないその絵画は有名な芸術家のものと分かり、オークションに出品され非常に高い値が付いたのだった』
まとめ
「題目」は宗教的な意味もありますが、最近では研究や論文の表題として使用されています。
「題名」は一般的なタイトルという意味で使われることが多く、様々なものに対して使われています。
作品の「題名」やキャッチコピーとしての側面もあり、文化や流行語となることも多々あります。