「要衝」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「要衝」

この「要衝」「ようしょう」と読みます。

あまり聞かない言葉ですが、それは、ほとんど同じ意味を他の言葉で言い換えることができるからです。

しかし、比較的堅めの文章や交通案内などではよく使われる表現なので、ここでしっかり意味を覚えておきましょう。

「要衝」の意味

要衝とは、交通や流通などにおける重要地点を指す言葉です。

交通では主に鉄道の駅がそのように表現され、流通においては駅だけでなく、空港や港に対しても使われます。

その流通では、ここを拠点にして各方面への配送が行われることも多く、そのような場所に本拠地のある会社も少なくありません。

「要衝」の類語と解釈

要衝の類語として一番に挙げられるのは、「要所」(ようしょ)です。

「要衝」の意味が交通や流通における「要所」だと言えるだけに、ほとんど場合はこの言葉で言い換えることができます。

そして、最近では「ハブ」という言葉も、この「要衝」の意味として使うようになりました。

この「ハブ」は、日本では「中心地点」「(重要な)経由地点」という意味で使われており、有名な使い方では「ハブ空港」という表現が挙げられます。

意味は「各地への発着の多い中心空港」で、ほとんど「要衝」と同じ意味で使うことができ、口語ではよく聞く言葉です。

「要衝」の英語と解釈

要衝は、英語では“strategic point”と表記します。

この言葉で「要衝」が意味する「交通や流通における重要地点」をそのまま表現できます。

また、前述の「ハブ」という言葉を使った“traffic hub”“transport hub”という表現も、「要衝」の各意味として使えます。

前者は交通における要衝、後者は流通の方です。

これらをまとめて表現できるのが先の“strategic point”だと考えると分かりやすいでしょう。

「要衝」の言葉の使い方

要衝は、意味こそ色々な場面で必要になるものの、この言葉以外で表現されることが多い為、それほど見聞きすることはないでしょう。

特に口語では「要所」と発音が似ていることと、そちらの方が分かりやすいこともあり、ほとんどの場合でそのように使われてしまいます。

しかし、文章になると、「要衝」と記載した方が強い意味を表現できることから、官公庁の公式な文章などではよく使われています。

「要衝」を使った例文・解釈

要衝を使った例文です。

どれも「要所」で置き換えられますが、「要衝」と使っていることで、それだけ大切だと強調していると考えてください。

「要衝」の例文1

「新宿駅は日本でも有数の交通の要衝だ」

東京の新宿駅は、各線を合計して1日で約350万人が利用するというデータが出ています。

これは、日本だけでなく、世界でもトップクラスの利用者数で、2017年にはギネスレコードにも認定されたほどです。

正に交通の「要衝」と呼べる存在だと言っていいでしょう。

「要衝」の例文2

「流通の意外な要衝として、静岡が挙げられていた」

静岡は、東日本と西日本を結ぶ流通の拠点として、空港や港も盛んに利用されています。

交通だけを考えた場合、あまり重要な地点だとは思えないかも知れませんが、流通の世界となると、また話は別なのです。

「要衝」の例文3

「新宿は「西の要衝」と言われるらしいが、だったら東はどこなのだろう」

前述の新宿駅は、都心における「西の要衝」と表現されることがあります。

そして、「東の要衝」はもちろん東京駅です。

この2つの駅の間は直線距離で10キロもありませんが、都心の交通においては共にとても重要な拠点となっています。

尚、利用者数だけなら池袋駅が2位、東京駅は3位ですが、新幹線が通っているところが東京駅の重要性を格段に上げていると言えるでしょう。

「要衝」の例文4

「新しい土地に来たら、まず要衝だけでも覚えておくといい」

その土地で比較的大切だと思われる駅や場所などを覚えると、何かと便利なのは間違いないでしょう。

地方ではそのような場所にしか特急などが止まらなかったり、大きなお店が存在しないということもあります。

「要衝」は大きな意味だけでなく、このような使い方もできる言葉だという例です。

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