この記事では、「虚構」と「嘘」の違いを分かりやすく説明していきます。
「虚構」とは?
「虚構」は(きょこう)と読みます。
漢字の「虚」(はむな(しい))、(うつ(ろ))と読みます。
意味は、空っぽで何もない、中身がない、うそいつわりです。
「構」は、かまえるとの意味を持ちます。
「虚構」の意味は、事実ではないものを、まるで事実のように表現することです。
小説や映画には、よくあるのがこの虚構です。
サイエンスフィクションなど、 似たような意味を持つ言葉には、フィクション、物語、架空、絵空事、虚像(実像と反するニセもの)、仮構などがあります。
また対義語は「事実」「ノンフィクション」「実録」があげられます。
「虚構」の使い方
「虚構」は「現実と虚構」「虚構の世界」などの使い方があります。
ちょっと哲学的な響きがする大人の言葉です。
しかし「虚構小説」「虚構映画」は、「フィクション作品」のように外来語のフィクションで表現されるのが一般的です。
「嘘」とは?
「嘘」は(うそ)と読みます。
人をあざむくための発言や、事実ではないこと、また正しくないことを意味します。
「嘘つき」は嘘ばかりついて、人を騙している人を非難する言葉です。
「嘘は泥棒の始まり」のことわざのように、嘘をつくのは非常に罪深いことだとされています。
しかし「嘘も方便」ということわざもあります。
こちらの嘘は、相手をあざむくのではなく、思いやりや良い状況を作り出すために、事実を反することを言うことで、悪意のない嘘になります。
同義語には「偽り」「虚言」があり、対義語には「本当」「誠」「真実」などがあります。
「嘘」の使い方
「嘘」を動詞として使うときには「嘘をつく」と「つく」をつけて表現します。
かんじでは「吐く」と書き、意味は「言う」を乱暴にしたものです。
「嘘をついた」「嘘をつかれた」は、喧嘩などの言い合いでよく飛び出す言葉です。
また正式文章などでは、「嘘をついた」ではなく「虚言」と表記されるのが一般的です。
嘘つきは、虚言癖のある人物となります。
ちなみに「嘘をこく」との表現もありますが、きれいなニュアンスがないので、あまり耳にしません。
「虚構」と「嘘」の違い
「虚構」も「嘘」も、事実とは違うことを、あたかも事実のように言うことを示します。
「虚構」は、ほとんど悪意がないのに対し、「嘘」は悪意があることが多いと言うのが、このふたつの言葉の違いです。
サイエンスフィクション映画は、現実にはありえないストーリーで観る人を魅了します。
人間が空を飛んだり、猿が宇宙船を操縦したりするのは奇妙ですが、映画を作った人の悪意はそこに存在しません。
しかし自分に都合の悪いことを隠すために、真実を曲げて言うのは、「虚構」ではなく「嘘」になります。
銀行員のお金の横領は、銀行と顧客に嘘をついて騙していることです。
こうなれば、嘘は立派な犯罪です。
「虚構」の例文
・『あの人は虚構の世界に生きているような人だからね』
・『〇〇君は虚構癖があるから、真剣に聞かない方が良いかもしれない』
・『結局全てが虚構だったんだよ』
・『君が見ているのは虚構に過ぎないよ』
「嘘」の例文
・『いつも嘘ばかり言って、本当のことは言ってくれない』
・『とっさについた嘘で、その場をかわしました』
・『嘘か本当か、私には判断できません』
・『このブランド品、なんだか嘘っぽい』
まとめ
「虚構」と「嘘」は、どちらも事実ではないことを表現することです。
「虚構」は、フィクションなどの意味で考えると、ネガティブなことではありません。
しかし「嘘」は、良い意味で使われることはあまりありません。