この記事では、「貸す」と「預ける」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貸す」とは?
「貸す」は(かす)と読みます。
「隣の人にボールペンを貸してあげた」「空いている部屋を貸すことにした」「ちょっと力を貸してくれませんか?」 このように「貸す」という言葉は、私たちの日常生活において頻繁に使われています。
この「貸す」には大まかに分類すると3つの意味があります。
まずは《自分の所有する物や金銭を他の人に期間を定めて使わせること》で、「隣の人にボールペンを貸してあげた」はこの意味になります。
二つ目は《対価として金銭を要求し他人に物や不動産を使わせること》です。
「空いている部屋を貸すことにした」がその例です。
三つ目は《何らかの能力や力を他の人に与えること》 で、ちょっと力を貸してくれませんか?」はこれにあたります。
英語では「lend」「rent」「lease」で表記します。
「lend」はお金を要求せずに貸す時に使い、「rent」は外来語の「レンタル」で、頻繁に使用されている言葉です。
「レンタカー」「レンタル衣装」など合理性を求める人たちの間では、この必要な時だけお金を支払い使うという「レンタル」するスタイルが人気です。
「lease」は、土地や建造物といった不動産を有料で契約して貸す時に使う言葉です。
「貸す」の使い方
「貸す」は、対価を得る得ない関係なく物、金銭、能力を他人に提供する時に用いられます。
ビジネスで何かを貸すことで対価を得る時には、「賃貸」「レンタル」「リース」、またお金の場合には「融資」という言葉を使うのが一般的です。
「預ける」とは?
「預ける」は(あず(ける))と読みます。
「銀行にお金を預ける」「会社の経営を後継者に預ける」「この勝負は君に任せる」「壁に体を預ける」などの使い方があります。
意味は以下になります。
まずは《 金銭や身柄の保管や世話を他の人に頼むことです》「銀行にお金を預ける」はこれにあたります。
二つ目は「店の経営は君に預けた」のように《 何らかの方針や決定を他の人にゆだねること》です。
三つ目は 《 勝ち負けなどの勝負を他人に任せること》で、「この勝負は君に任せる」がその例です。
四つ目は 《 体を何かにもたせかけること》で、「壁に体を預ける」はこの意味です。
また英語での表記ですが、お金を預ける場合などには「deposit」を、フロントにコートなどを預ける場合には「check」を、また子供を保育園などに預けるという場合には「leave a child in somebody’s care」を使います。
「預ける」の使い方
「預ける」は、何かを他の人に任せたり、委ねたりする時に使います。
しかし銀行などにお金を預ける場合には「預金する」と言います。
またビジネスやかしこまったシーンでは「委託する」と表現するのが一般的です。
「貸す」と「預ける」の違い
「貸す」と「預ける」の違いは以下の通りです。
「貸す」は自分が持っているお金、物、能力を他人に提供し使わせるのを意味しているのに対し、「預けるは」 自分の持っているお金や物、もしくは体を他の人やものに保管してもらうことを意味します。
「貸す」の例文
・『その赤い色のクレヨンを貸してもらえますか』
・『電動ノコギリをお隣さんに貸してあげた』
・『使わない駐車場を貸して収入がアップした』
・『そのくらいのこと、力を貸すのは簡単だよ』
「預ける」の例文
・『どのくらい銀行にお金を預けているのですか』
・『子供を保育園に預けて働く』
・『彼女の運命を君に預ける』
・『椅子に上半身を預けてうたた寝していた』
まとめ
「貸す」と「預ける」は、日常的によく使用する言葉ですので、意味の違いをよく理解し正しい日本語を使えるようにしておきましょう。