この記事では、「未曾有」と「破天荒」の違いを分かりやすく説明していきます。
「未曾有」とは?
「未曾有」には、今まで一度も起きたことがないようなことという意味があります。
正しい読み方は「みぞう」です。
由来は仏教用語で、「仏による奇跡を記した経典」を意味します。
今まで見たことがないような素晴らしさといった意味が「未曾有」にはありましたが、現代では、どちらかというと、悪い出来事の際に用いられることが多くなってきました。
とは言っても、基本的に「未曾有」には、良い意味でも悪い意味でも、非常に珍しいことが起きた際に用いられることができる言葉となります。
「未曾有」の使い方
最近では、マイナスのイメージが強い「未曾有」。
そのため、「未曽有の事態」や「未曾有の大地震」、「未曽有の惨事」、「未曾有の不祥事」など悪い出来事の際に用いられること言葉が多くなります。
「破天荒」とは?
「破天荒」には、今まで誰もが達成することができなかったことを初めて達成するといった意味があります。
これが正しい「破天荒」の意味です。
というのも、最近、「破天荒」の意味の誤用が目立っています。
「破天荒」の意味を豪快な行為、無茶な行為、などと理解している人も多く、「破天荒」が豪華な人を意味するかのように用いています。
しかし、これは、大きな間違いであり、正しい「破天荒」の意味を知っておく必要があります。
「破天荒」の使い方
まず、上記の意味から「破天荒な人間」といった使い方は間違いで、「破天荒の試み」、「破天荒な大事業」などが正しい使い方です。
「未曾有」と「破天荒」の違い
同じ「今までにない」といった共通の意味を持つ「未曾有」と「破天荒」ですが、その「今までにない」という内容に違いがあります。
「未曾有」の方は、今まで一度も起きたことがない、非常に珍しい事を意味し、「破天荒」は、今まで誰もが達成することができなかったことを意味しています。
「未曾有」の例文
・『ここ数年、夏になると未曾有の水害と呼ばれるような水害が日本全国で多発しています。』
・『今現在の経営状態を考えると、未曾有の事態と言わざるを得ない状況です。』
・『未曾有の大地震を経験し、命の大切さを実感しました。』
・『今年の夏は未曾有の猛暑を記録しました。』
「破天荒」の例文
・『親には、破天荒な試みだと言われましたが、絶対に成功して見せます。』
・『近所のスーパーで破天荒な安売りともいえるセールが開催されています。』
・『誰しも一度は、破天荒な冒険に憧れるのではないだろうか。』
・『今回の大会で、破天荒な記録を残すことができました。』
まとめ
以上が「未曾有」と「破天荒」の違いです。
間違った意味として覚えている人も多いため、注意が必要な言葉となります。
どんな場面での使用が適しているのか、誰に向けての使用が適しているのか、などを踏まえた使い方が必要です。