人間が起こした行為や行動に対して、それを受け止める態度を表す言葉は様々なものがあります。
中でも「責任」と「覚悟」は日常生活でもよく使われる言葉であり、意味も大きく違うのが特徴です。
この記事では、「責任」と「覚悟」の違いを分かりやすく説明していきます。
「責任」とは?
「責任」とはその人が立場や役職などに伴って当然背負うべき義務や任務のことを表します。
この場合に使われる時は特定の立場や役職に就いていることから、自分のみならず会社や部下など他の物事に対しても「責任」を持つことが期待されます。
また「責任」は特定の立場から発生する義務だけではなく、個人が行った行為や行動に対しての責めを負うことを表す言葉でもあります。
こちらは前述の使い方とは違って、個人が反省的にするものであり主に失敗やロスのようなネガティブな行為や行動に対して行われます。
「責任」は法律用語としても使われる言葉であり、これは法的な解釈や判断によって違法と定められた対象に制裁を受ける時に使われます。
「民事責任」や「刑事責任」など損害賠償を請求する時に使われることが多いのが特徴です。
「覚悟」とは?
「覚悟」には色々な意味がありますが、元々は仏教用語であり、迷いを捨て去り解脱して真理にたどり着くことを表します。
しかし「覚悟」は現代において将来起こりうる悪い出来事に対して心構えをするという意味で使われます。
将来起こりうる出来事は通常悪いことや危険性の高いもの、不利になるもの、困難などが待ち受けていることが多く、これらに備えて準備するという意味もあります。
「覚悟」は将来起こりうる悪い出来事に対しての準備という意味がありますが、あまりにもその困難が高いものだと諦めてしまうという意味に転して使われることもあります。
あくまでも到来することが確実であり避けることが無理だと諦めてしまうのですが、その起こりうる出来事に対しては諦めるかどうかは当人次第というのは注意しましょう。
「責任」と「覚悟」の違い
「責任」は立場のある人間がそれに付随する義務や任務を負うことを表すものであり、自分以外の対象や行為、人物に対しても「責任」を背負うことが多いのが特徴です。
また「責任」は自分のした行為に対しても使われることが多く、失敗をした時に使われます。
「覚悟」は将来起こりうる悪い出来事に対して決意を決めるという意味となっています。
「責任」の例文
・『車のリコールが問題になり、責任の追及が行われた』
・『彼は嘘を付き責任転嫁をしたため、自分が代わりに叱られることになってしまった』
「覚悟」の例文
・『流石に彼女は怒るだろうと覚悟していたが、プレゼントを渡されて驚いたよ』
・『覚悟の宿った侍は剣を静かに抜き、師匠の前に立ちはだかった』
まとめ
「責任」は立場や役職から生じる義務や自分の失敗した行為に対して責を背負うという意味があります。
「覚悟は」不可避な将来の出来事に対して準備するという意味があります。