この記事では、「烏滸がましい」と「痴がましい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「烏滸がましい」とは?
「烏滸がましい」には2つの意味があります。
一つは、自分の身分や能力などの程度を心得ていないです。
師匠に向かって弟子がアドバイスをすることはないでしょう。
これは、弟子よりも師匠の方が能力が優れているからです。
能力が優れているものに対し、能力が下のものがアドバイスをすることは、一般的にはありません。
しかし、自分の能力をわきまえていないと、自分よりも高い能力を持つものに口を出してしまうことがあります。
このさまが「烏滸がましい」が意味するものです。
もう一つの意味は、いかにもばかばかしいです。
実にくだらないといった意味になります。
「烏滸がましい」の使い方
何かを発言するときの前置として使われることが多くあります。
「自分の身分や能力などの程度を心得ていないかもしれないことをこれから言いますよ」といった場面で使われています。
「痴がましい」とは?
「痴がましい」には2つの意味があります。
一つは自分の身分や能力などの程度を心得ていないです。
歌手として活動している人は、一般人よりも歌唱力が高いです。
その人から「得意な曲は何ですか」と聞かれたとき、「あなたの歌が得意です」というのは「痴がましい」でしょう。
目の前に歌うことが得意な人がいるのに、その人が歌う曲が得意だというのは、その歌手よりも自分の方が歌がうまいといっているように取られてしまいかねません。
これは、自分の能力をわきまえていないといえるでしょう。
もう一つの意味は、いかにもばかばかしいです。
「痴がましい」の使い方
何かを発言するときの前置として使われることが多いです。
「これから身の程をわきまえていないことをいいます」といった場面で使用されます。
「烏滸がましい」と「痴がましい」の違い
どちらの言葉も読みは「おこがましい」です。
意味も同じです。
違いは使用されている漢字です。
「烏」は「ウ」「オ」と音読みをし、「滸」は「コ」と音読みをします。
どちらも常用漢字表にない漢字です。
「痴」は「チ」と音読みをし、「おろか」「おこ」「しれる」と訓読みをします。
常用漢字表にはあるけれど、音訓表にはのっていない漢字です。
どの漢字を使用しても間違いではありません。
しかし、漢字で書いても読めなかったり、漢字を書くのが難しかったりするので、ひらがなで表記されることが少なくありません。
「烏滸がましい」の例文
・『なんて烏滸がましいやつなんだ』
・『非常に烏滸がましい』
・『烏滸がましいと思う』
「痴がましい」の例文
・『痴がましいという気持ちを持っている』
・『痴がましいですね』
・『痴がましいなんてことはない』
まとめ
どちらの言葉も意味しているものは同じです。
違いは使用している漢字です。
常用漢字表にない漢字を使用しているのか、常用漢字表にはあるけれど音訓表にのっていない漢字を使用しているのか、という点に違いがあります。