この記事では、「近隣」と「近所」の違いを分かりやすく説明していきます。
「近隣」とは?
互いに隣になるような近いところのことです。
暮らしの共同体として近くにあることを指しています。
「近隣諸国」などといいますが、これはある国に隣り合うように存在する別の国々という意味になります。
国は暮らしの共同体です。
共同体とは、社会集団のことを指しています。
この社会集団の近くにある別の社会集団のことを「近隣諸国」は指しています。
もう少し狭い範囲でいうと「近隣の住民」といった使い方をします。
この場合は、ある共同体の領域のこと意味しています。
自分の家の隣だけでなく、もう少し広い範囲を指しています。
「近隣」の使い方
共同体の領域といった意味で使用をします。
自分の家の隣のことも指していますが、それよりももう少し広い範囲を指して使用されます。
たとえば「近隣諸国」といった場合は、国という共同体で考えていて、自分の家の隣よりももっと広い範囲になります。
「近所」とは?
「近所」には2つの意味があります。
一つは、ある場所から別のある場所までの隔たりが小さいことです。
ある場所に近いという意味になります。
近いとは具体的にどれくらいの距離なのか定義はありませんが、「近所」といった場合は自分の家の「近所」なら、隣や3、4軒くらい先の家の範囲までを指すことが多いです。
自分が住んでいる場所だけでなく、仕事をする場所から近いことも指しています。
もう一つの意味は、近くの家です。
1つめの意味は、空間的なところ、場所を指していますが、2つめの意味は家を指しています。
家とは、人が住むための建物のことです。
つまり、この意味では仕事をする建物の近くのことではなく、人が生活をするために住んでいる家の近くという意味になります。
「近所」の使い方
近いという意味で使用をします。
どれくらいの距離を近いというのか定義はありませんが、徒歩20分以上かかる範囲は「近い」とは、あまりいいません。
つまり、徒歩20分以上の範囲を指して「近所」を使わないということになります。
また、国など広い範囲には使用しません。
「近隣」と「近所」の違い
どちらの言葉にも近いという意味があります。
違いは使われ方です。
前者の言葉は、社会的集団の領域を指して使用されます。
「近隣諸国」のような使い方です。
後者の言葉は、人が住んだり仕事をしたりする建物の近くのことを指して使用します。
「近隣」の例文
・『近隣の住民に迷惑だ』
・『近隣に騒音が響き渡る』
・『近隣の学校に協力を求める』
・『近隣の消防団が協力をする』
「近所」の例文
・『近所の人がとても親切だ』
・『近所の奥さんと立ち話をする』
・『近所の人が畑で採れたトマトをくれた』
・『母親は近所に住んでいる』
まとめ
どちらの言葉も近いという意味を持っており、似たようなことを指しているのですが、使われ方に違いがあります。