この記事では、「必要条件」と「十分条件」の違いを分かりやすく説明していきます。
「必要条件」とは?
ある物事が成り立つために、なくてはならない前提や制約となる事柄のことです。
「ブリット・アワード」というイギリスで開催される音楽の祭典式があります。
以前はこの祭典式で表彰されるためには、イギリスの市民権がなければなりませんでした。
これは「ブリット・アワードで表彰されたならばイギリスの市民権がある」ということができます。
「ブリット・アワードで表彰」をA、「イギリスの市民権がある」をBとします。
Aが成り立つためにはBがなくてはなりません。
つまり、BはAの「必要条件」なのです。
ウサギのことで考えてみます。
ウサギは動物です。
ウサギ目ウサギ科の動物をウサギと呼んでいます。
ウサギであるためには、動物でなければなりません。
つまり、動物であることは、ウサギであるためになくてはならない条件なのです。
このような、それを成り立たせるためになくてはならないものを意味している言葉です。
「必要条件」の使い方
数学でよく使われる言葉です。
何かが成り立つために、なくてはならない前提や制約となる事柄を指して使用します。
「十分条件」とは?
ある事柄が成り立つときに、それを成り立たせるために不足ない条件のことです。
ウサギのことで考えてみます。
ウサギは動物です。
そのため、「ウサギならば動物である」ということができます。
しかし、「動物ならばウサギである」ということはできません。
動物にはウサギの他にも、キリン、ネコ、イヌ、イノシシなど、さまざまな種類があります。
動物であることはウサギを成り立たせるためになくてはならないものですが、ウサギは動物を成り立たせるためになくてはならないものではありません。
この場合「ウサギは動物の十分条件」であるといえます。
動物を成り立たせるためにウサギは不足ない条件です。
しかし、必ずそれがなければならないわけではありません。
動物を成り立たせるためには、イヌでもネコでもよいのです。
このような、絶対それがなければ成り立たないわけではなく、ある事柄を成り立たせるために不足しない条件のことを指しています。
「十分条件」の使い方
数学でよく登場する言葉です。
日常会話では、あまり使わないかもしれません。
「必要条件」と「十分条件」の違い
なくてはならないものなのか、なくてもよいけれどあれば十分なものなのか、という点に違いがあります。
前者の言葉は、なくてはならないものを指しています。
それがなければ、ある事柄が成り立ちません。
後者の言葉は、必要ではないけれど、あれば不足ないものを指しています。
それがなくても成り立つものです。
まとめ
どちらも数学で登場することが多い言葉です。
難しくて混乱してしまう人もいるようです。
なくてはならないものか、なくても成り立つけれどあれば十分なのか、という点に違いがあります。