「非常」と「緊急」の二つの言葉は似た意味の言葉としてあやふやに使われていることが多くあります。
しかし、二つの言葉の使い方を間違えると、命の危機さえもたらすような、大きな違いがあります。
そのような間違いが起こらないために、この記事では、「非常」と「緊急」の違いを分かりやすく説明していきます。
「非常」とは?
「非常」とは、「通常ではない」ことを意味します。
この言葉を使う際には、基準の値や、通常の状態があることが前提です。
例えば、放射線濃度の安全標準値が定められている中で、その数値が通常の状態から著しく変化した場合に「非常」を使います。
非常事態では、その原因を調べ、人に危害が及ぶ可能性があるのかを確認することが、第一に求められます。
その結果によって、どのような対応を取るべきかを判断します。
非常事態が宣言された場合は、すぐの対応を求めているのではなく、危険の可能性を伝え、注意の勧告を目的としています。
またそれ以外にも、「非常に素晴らしい」など言葉の表現としても、よく使われます。
はなはだしいことの表現として、または行動や様子が普通ではない際に使う言葉です。
このように、「非常」とは、様々な形で通常ではないこととして使われます。
「緊急」とは?
「緊急」とは、対応を急ぐ必要が求められることを意味します。
「緊急」という言葉が使われる際には、事態が重大であり、何事にも優先して急いで対応しなければ、大きな損害・危機がもたらされる状況です。
例えば、「緊急」の用事と聞くと、その内容を知らなくても、人命の危機など事態が重大で、対応に迫られている状態であると理解できます。
「非常」と「緊急」の違い
ここからは、「非常」と「緊急」の違いを、分かりやすく解説します。
「非常」は通常ではないことを表し、すぐの対応は求められておらず、それに対して「緊急」は、事態がすでに重大で、対応の素早さが求められている、という大きな違いがあります。
両者の違いとして、「非常」は危険の可能性を含んでいる状態ですが、「緊急」はすでに100パーセント危険である状態といった、危険度の差もあげられます。
だからこそ、対応の必要性にも違いが見られます。
緊急の際には「時間」がとても重要なポイントとなります。
「非常」では、今後の危機に対する準備をし、安全のために待機すること、「緊急」では今この瞬間に避難などの求められる対応を開始することが必要です。
二つの言葉を聞いた時にはどちらも同じく身の危険を感じるはずです。
しかし、その度合いや求められる対応には大きな差があるので、間違えないようにしましょう。
まとめ
このように、「非常」と「緊急」は似たように使われがちな言葉ですが、言葉の意味は大きく異なるので、注意が必要です。
言葉を正しく使うことで、生活の中でのコミュニケーションに役立てましょう。
また、昨今パンデミックや災害により、常に私たちの命が危険に晒されています。
言葉の意味を理解し、思わぬ事態の対応を間違えず、自分や周りの大切な人の命を守りましょう。