この記事では、「果てない」と「果てしない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「果てない」とは?
「果てない」とは、「どこまでも終わりがないさま・延々と尽きることがない」を意味している慣用的な言葉です。
「果てない」はその使い方として、「果てない夢・果てない理想・果てない野望」などの文章で使われることが多い表現です。
そのため、「果てない」の言葉には、「どこまで満たされてもまだ満足しきることがない・かなり満たされているのにまだ不満や欲を抱えている」といった「欲求の深さ・理想の高さ」のニュアンスが込められています。
「果てしない」とは?
「果てしない」とは、「終わりなくずっと続いていくさま」を示している慣用句的な表現です。
「果てしない」の表現は、「終わりがないこと・限界や際限(さいげん)がないこと」を示唆しています。
「果てしない」はその用法として、「果てしない争い・果てしなく広がる大河・果てしなく繰り返される物事」などの文章で使われるケースが多くなっています。
そのため、「果てしない」という表現には、「どこまでも物理的時間的に続いていたり広がっていたりする・終わりなくリフレイン(繰り返し)されている・欲望や煩悩などが尽きることがない」といった意味のニュアンスがあるのです。
「果てない」と「果てしない」の違い
「果てない」と「果てしない」の違いを、分かりやすく解説します。
「果てない」の表現には「欲望が尽きることがない・どこまで良いことがあっても欲望や理想が完全には満たすことができない」といった意味のニュアンスが強くあります。
一方、「果てしない」にもそのニュアンスはあるのですが、「果てない」と比べると「欲望の限りの無さ・理想の上限がない高さ」のニュアンスはやや弱くなる違いを挙げられます。
「果てない欲望」のほうが、「果てしない欲望」よりも「欲望の満たされない程度」が強く感じられる表現なのです。
さらに「果てない」は現代では「果てしない」よりも使用頻度が低い言葉になっている違いもあります。
「果てない」は「文語的・書き言葉的な少し硬い語感のある表現」になりますが、「果てしない」は「口語的・話し言葉的なやわらかい語感のある表現」になるといった点も異なっています。
「果てない」の例文
・『アーティストになりたいという果てない夢を抱いてここまで努力を続けてきました。』
・『織田信長は天下人になるだけではなく、神に近い至高の存在になりたいという果てない野望を持っていたともいわれます。』
「果てしない」の例文
・『果てしなく広がる道をまっすぐに何時間も走っていると、ようやく周囲に広がる景色に変化の兆しが見えてきました。』
・『人類の歩んできた歴史は果てしない戦争の歴史でもありましたが、どうにかして人と人が殺し合う運命から逃れることはできないのでしょうか。』
まとめ
「果てない」と「果てしない」の違いを詳細に説明しましたがいかがでしたか?
「果てない」は「文語的なやや硬い表現」であり、「果てしない」は「口語的な表現で現代ではより使われる場面が多い」などの違いがあります。
「果てない」と「果てしない」の違いを調べたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。