この記事では、「機会損失」と「逸失利益」の違いについて分かりやすく説明していきます。
「機会損失」とは?
「機会損失」とは、きかいそんしつという読み方をする言葉です。
事を起こすのに丁度良い時機やチャンスという意味を持つ機会と、利益を失うという意味を持つ損失を組み合わせて出来た言葉となっています。
なので、意思決定を適切に行わなかった事で本来得られたであろう利益を逃した、という意味を持つ言葉となっているのです。
「機会損失」の使い方
「機会損失」という言葉は、ビジネスシーンで良く使われる言葉となっています。
例えば商談を持ち掛けようかと迷っている内に、他社に出し抜かれて大きなビジネスチャンスを逃してしまうといった事が起こる事があるのです。
この様なケースでは判断を誤り、利益が得られるはずの機会を失ったという事で、機会損失という言葉が用いられます。
「逸失利益」とは?
「逸失利益」とは、いっしつりえきと読む言葉です。
失ってしまうという意味を持つ逸失と、儲けや利潤を意味する利益を合わせる事で生じる言葉となっています。
そのため、不法行為や債務不履行により得られなくなってしまった利益、という意味を持っているのです。
「逸失利益」の使い方
「逸失利益」という言葉は、日常会話の中ではほとんど使われないやや堅苦しい言葉となっています。
というのもこの言葉が持つ意味合いからも推測出来る様に、不法行為等が絡んだ場合に登場する言葉となっているのです。
だからこそ、基本的には訴訟等の際の法律用語として使用されるケースが多く見られます。
「機会損失」と「逸失利益」の違い
機会損失も逸失利益も、どちらも思惑通りに事が進まなかったために得る事が出来なかった利益、という意味合いを持つ言葉です。
大まかにニュアンスだけ見ると似た様な印象を受けるかもしれませんが、この2つの言葉には大きな違いがあります。
機会損失の方は、判断といった意思決定を誤る事により利益を得るチャンスを失ってしまった、という意味合いを持っているのです。
一方の逸失利益の方は、不法行為や事故といった予期せぬ事態により、利益を得られなかった場合に用いるべき言葉となっています。
「機会損失」の例文
・『機会損失を出来るだけ防ぐべく、今度出る新商品は世界同時発売する事になった』
・『1人のお客様をぞんざいに扱う事は、結果的に大きな機会損失に繋がります』
「逸失利益」の例文
・『この商品の不法使用による我が社の逸失利益は、かなり膨大な金額となります』
・『事故に巻き込まれた事によって生じた逸失利益は、予想外に大きかった』
まとめ
「機会損失」も「逸失利益」もどちらも、得られるはずだった利益が得られない、という意味を持っているのです。
ですが機会損失の方は、状況判断等を誤る事で利益を得るチャンスをみすみす逃してしまう事を意味します。
「逸失利益」は債務不履行といった不法行為や事故等に巻き込まれる事で、利益が得られなくなってしまう事を意味するのです。