この記事では、「背景」と「経緯」の違いを分かりやすく説明していきます。
「背景」とは?
「背景」のには、大きく分けて2つの意味があります。
その一つは、絵画や写真などで、主要題材を引き立たせる背後の光景・バックや舞台の後方を仕切る絵などの意味です。
そしてもう一つが、先の物理的な「背景」の意味から転じた、物事の背後にある事情や、裏から支える勢力を指す意味です。
この意味では、『この事件には、何か政治的な背景があるように感じられる』のように使われます。
「経緯」とは?
「経緯」とは、物事の込み入った事情、事件の経過を指す言葉です。
『これまでの経緯をしっかりと調べるつもりだ』のように使われます。
辞書に記載されている上記の説明では、少し分かりにくいですが、そこに至るまでの流れを指す言葉と言い換える事ができます。
「背景」と「経緯」の違い
先に記載した「背景」の2つ目の意味と、「経緯」は、『事件の背景』や『事件の経緯』の様に似た場面で使われ、中々その違いが分かりにくい言葉と言えます。
しかし「背景」とは、物事の背後にある事情や、裏から支える勢力を指す意味であり、「経緯」とは込み入った事情であり、そこに至るまでの流れを指す言葉です。
従って、『事件の背景』とは事件の裏側と言った意味であり、『事件の経緯』とは事件がどの様な流れで生じたのかと言う意味になります。
似ているように思えますが、2つの言葉は違う意味の言葉だと理解できるでしょう。
また、『事件の経緯と背景』と表現すれば、その事件がどの様な流れで生じたのか、そしてその裏にある事情と言う意味になります。
「背景」と「経緯」の意味が同じなら、こうした表現は変ですが、2つの言葉の意味が違うから、こうした表現が成り立つのです。
もちろん、この例で示したケースで、『事件の経緯』や『事件の背景』を調べると、『事件の経緯』は必ず存在して調べる事が出来ますが、『事件の背景』はない場合もあります。
これも2つの言葉の違いを理解するヒントとなるはずです。
もちろん、「背景」には、先に記載した一つ目の意味である絵画や写真などで、主要題材を引き立たせる背後の光景・バックと言う意味は、「経緯」にはないと言う違いもあります。
まとめ
「背景」には、絵画や写真などで、主要題材を引き立たせる背後の光景・バックと言う意味と、物事の背後にある事情や、裏から支える勢力を指す意味があります。
一方の「経緯」とは、物事の込み入った事情、事件の経過を指す言葉です。
この「背景」の2つ目の意味と「経緯」が混同しやすい言葉と言えます。
しかし「背景」の2つ目の意味は、物事の背後にある事情であるのに対し、「経緯」とは、そこに至るまでの流れを指す言葉であり、混同しやすい言葉ですが、明らかに違う意味の言葉なのです。
もちろん、「経緯」には、「背景」の一つ目の意味である絵画や写真などで、主要題材を引き立たせる背後の光景・バックと言う意味はありません。