この記事では、「外見」と「外観」の違いを分かりやすく説明していきます。
「外見」とは?
「がいけん」と読みます。
「外見」に使われている「見」という漢字は、目に移す行為を表す漢字の中で最も一般的なものです。
つまり、外見は外側から見た様子という意味になり、「見た目」を表す言葉です。
じっくりと観察をするのではなく、「パッと見た感じ」という表現が適しています。
ただし、この行為に対して全てのものが対象になるわけではありません。
「外見」の使い方
「外見」を用いるのは、割り合い近くにある人やモノに限定されます。
例えば、新幹線の窓からチラッと見た富士山などの景色に対し、「外見」という言葉が使われることはあり得ません。
「外観」とは?
「がいかん」と読みます。
外側の状態や眺めについて表す言葉です。
物体の中身については問わず、外側がどのような様子であるのかを示しています。
「外観」の使い方
身近に存在する人に対して用いられることはありません。
建造物や景色に対して使われるのが一般的です。
「外見」と「外観」の違い
「外見」は、第三者が人や物を見た場合の様子で、パッと見た直感的に感じた印象が意味合いに含まれています。
じっくりと見定めるということではなく、視野に入れるだけという単純行為によって判断されるものなのです。
また、「外観」は大きな建造物や景色を眺めた様子のことで、自分から観察しようと意図的に見ているという意味合いが含まれます。
「外見」と異なり、人に対して使われることはありません。
デザイン性や形状に重点を置き、比べて良し悪しなどを判断するために見るという、より能動的に見るときに使われる表現です。
「外見」の例文
・『人を外見だけで判断することはできないが、外見も重要であることに間違いはない』
・『外見を気にしないにもほどがある』
・『外見だけで決めるなら、私は〇〇のほうが好き』
・『外見に惑わされて判断を誤った』
「外観」の例文
・『せっかく新築住宅を購入するのだから、外観にもこだわるつもりだ』
・『この城は、場内よりも外観が一番の見どころだ』
・『このホテルは宿泊料の割に外観が立派で驚いた』
・『外観が立派すぎる博物館は、展示物の内容が伴わないことが少なくない』
まとめ
「外見」と「外観」は、共に外という漢字が使われているために、傍から見たという様子であることがわかります。
しかしながら、この2つの言葉が同じように使われることはありません。
「外見」は、あくまでもパッと見たという状態であり、じっくりと観察しているときに使われる言葉ではありません。
一方の、「外観」は人に対して使われることはなく、大きなものに限定して使われます。
また、意識的に見るという行為に伴う言葉である点も「外見」とは意味合いがことなります。
曖昧なようで明確な違いを持つ「外見」と「外観」
使い方に迷ったら、「外見」は何となく見る。
「外観」はがっつりと意欲的に見る。
そんなふうに意味を把握しておくと間違わなくなるのでおすすめです。