この記事では、「糠に釘」と「暖簾に腕押し」の違いを分かりやすく説明していきます。
「糠に釘」とは?
「糠に釘」は「ぬかにくぎ」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「手ごたえないこと」という意味で、物の場合は柔らか過ぎる様子、人の場合は聞いているのかいないのか分からない様子のことを言います。
2つ目は「効き目がないこと」という意味で、こちらがどんなに働きかけても全く効果がない様子を言います。
「糠」とは、米を精米した時に残る皮や胚芽などの細かい粉末で、「糠漬け」などに使われます。
非常に柔らかいことから、釘を打って手ごたえがなく、しかもすぐに抜けてしまうことから上記のたとえとして使われる様になりました。
「糠に釘」の使い方
「糠に釘」は「手ごたえないこと」「効き目がないこと」という意味で使われる慣用句です。
名詞・形容動詞として「糠に釘だ・である」と使われたり、副詞として「糠に釘で」と使われたりします。
基本的に、どんなに働きかけても手ごたえがなく、効果もない様子として、良くない意味で使われる言葉です。
「暖簾に腕押し」とは?
「暖簾に腕押し」は「のれんにうでおし」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「手ごたえがないこと」という意味で、自分の働きけが意味をなさない様子を言います。
2つ目は「張り合いがないこと」という意味で、自分が一生懸命やっても相手に響かず気が抜ける様子を言います。
「暖簾」とは、家の中が見えない様に入口にかけておく、布の仕切りのことを言います。
上から吊り下げておくもので、しかも布ですのでひらひらとしています。
腕で押してもひらりとかわしてしまい、全く手ごたえがなく、押すだけ無駄で張り合いがないことから上記のたとえとして使われる様になりました。
「暖簾に腕押し」の使い方
「暖簾に腕押し」は「手ごたえがないこと」「張り合いがないこと」という意味で使われる慣用句です。
名詞・形容動詞として「暖簾に腕押しだ・である」と使われたり、副詞として「暖簾に腕押しで」と使われたりします。
基本的に、こちらから働きかけても手ごたえがなく、張り合いがない様子として、良くない意味で使われる言葉です。
「糠に釘」と「暖簾に腕押し」の違い
「糠に釘」は「手ごたえがない様子」「効果がない様子」という意味です。
「暖簾に腕押し」は「手ごたえがない様子」「張り合いがない様子」という意味です。
「糠に釘」の例文
・『今の若者には自粛しろと言っても糠に釘だ』
・『政府の感染症対策はことごとく糠に釘である』
・『お母さんの説教は子供にとっては糠に釘だね』
・『浮気症の彼にはいくら言っても糠に釘だ』
「暖簾に腕押し」の例文
・『仕事中に彼に話しかけても暖簾に腕押しだ』
・『彼氏持ちの彼女に告白しても暖簾に腕押しだよ』
・『彼女に問いただしてみたが暖簾に腕押し状態だ』
・『上司にアイデアを話したが暖簾に腕押しだった』
まとめ
今回は「糠に釘」と「暖簾に腕押し」について紹介しました。
「糠に釘」は「手ごたえがない」「効果がない」、「暖簾に腕押し」は「手ごたえがない」「張り合いがない」と覚えておきましょう。