この記事では、「密集」と「密着」の違いを分かりやすく説明していきます。
「密集」とは?
何かがすき間もないほどぎっしりと集まることです。
一つの場所に集まることを意味しています。
また、すき間がないほど集まることで、間隔があるような状態ではありません。
コミックマーケットとは、世界最大の同人誌即売会です。
日本各地からはもちろん、海外から訪れる人もいます。
2019年に開催されたコミックマーケット97では、参加者数が75万人を突破しました。
会場には人がぎっしりと詰まっています。
時間帯によっては、身動きが難しいほどの人の集まり具合になります。
このような、一つのところにぎっしりと何かが集まっていることを「密集」といいます。
「密集」の使い方
人が一つのところにぎっしり集まっていることを指して使うことが多いです。
しかし、人以外のことにも使うことが可能で、家、動物、神経などが集まっていることもいいます。
「密着」とは?
「密着」には2つの意味があります。
一つは、すき間もなくくっつくこと、またその状態です。
飼い主に慣れている猫だと、飼い主の体に体をぴったりとくっつけてくることがあります。
飼い主と猫の間には、少しもすき間がありません。
このような、ぴったりくっついているさまが「密着」です。
また、ずっと人にくっついて取材することも指しています。
その場合「密着取材」といいます。
実際に体と体がくっついていることではなく、ある人のそばにぴったりと離れずにいることを指しています。
もう一つの意味は、写真で、印画紙に原画をくっつけて、原寸大に焼きつけることです。
「密着」の使い方
写真の意味では、現像などを行う人が主に使っています。
日常的には、ぴったりくっつくという意味で使用されています。
人と人、人と動物、動物と動物などがくっつくことを指す場合が多いです。
ある物とある物の間に間隔がある場合には、この言葉は使用しません。
「密集」と「密着」の違い
どちらの言葉にも、すきまがない、こみいっているという意味を持つ漢字である「密」が使用されている通り、すき間がないという意味が含まれています。
しかし、同じ状態ではありません。
前者の言葉は、一つのところにぎっしりと詰まっていて、すき間がない状態を指しています。
後者の言葉は、あるものとあるものがぴったりくっついていて、すき間がない状態を指しています。
「密集」の例文
・『人が密集していて身動きをとれない』
・『密集しているところを無理やり通り抜ける』
・『密集して花が咲いている』
「密着」の例文
・『地域に密着したスーパー』
・『猫が密着してきて暑苦しい』
・『2人は密着していて仲がよさそう』
まとめ
どちらの言葉にもすき間がないという意味が含まれていますが、一つのところに集まってすき間がない状態を指しているのか、くっついてすき間がない状態を指しているのかという点に違いがあります。