「虚言」と「妄言」はどちらも嘘のようなニュアンスで使われる言葉ですが、あまり日常生活で使う言葉ではなく、違いを知っている人もあまり多くはいない言葉だと思います。
この記事では、「虚言」と「妄言」の違いについてわかりやすく説明していきたいと思います。
「虚言」の意味とは?
「虚言」とは、嘘をいうことや他人をあざむくための言葉、嘘偽りの言葉などといった意味を持っています。
とくに「虚言癖」といった使われ方が一般的であり、これは病気の一種でもある「自分でも気づかないうちに、どうしても嘘をついてしまうもの」のことをいいます。
これは必要なときにだけ嘘をつくのではなく、癖のように何度も嘘をついてしまう状態をいい、他人から指摘されても気づかないことがあります。
また「虚言」は無意識ではなく意図的に言う場合、ばれるリスクを考えて言ったり、話自体の嘘をつくのもそうですが話を盛ることも「虚言」に当たります。
「妄言」の意味とは?
「妄言」とは、口からでまかせの根拠や理由のない言葉のことをいいます。
真実でない言葉や嘘の中でもとくに、理屈や事実にあっていない言葉を「妄言」といい、道理に外れているものをいいます。
あくまでも相手を騙す目的と言うよりは、わざとではなくいい加減にでまかせを言うようなニュアンスの言葉です。
「妄言」はあまり意識していないときに言ってしまうものであるということです。
「虚言」と「妄言」の違いについて
「虚言」と「妄言」は似ている言葉に思えますが、大きく違っている点もあります。
このふたつの言葉はどちらも嘘をつくということをあらわしている言葉であるというのが共通点ですが、どのような考えで嘘をつくのかという点が重要になります。
まず「虚言」は「相手をあざむくために嘘をつき、意図的であり、より悪質である」ことをいいます。
相手を騙すためにわざと嘘をつくということです。
対する「妄言」は、「嘘の内容だけでなく嘘をついた動機も、理屈や事実に合っていないものであり、いい加減にでまかせを言うようなとき」のことをいいます。
わざといい加減に言うことを「妄言」という、ということです。
つまり「虚言」のほうが「妄言」に比べて悪質で卑劣な嘘である、ということです。
「虚言」を使った例文を紹介
・『彼は小学生の頃から嘘つきで有名だったが、今回の騒動で虚言癖なのではないかという疑いが生まれ始めた。本人も自覚しないうちに息をするように嘘をついたり話を盛ったりするのを、なんとかしてくれないとまた迷惑がかかりそうである。』
「妄言」を使った例文を紹介
・『私の父はいつも母の話をあまりしっかり聞いておらず、仕事の帰りが遅くなって怒られても「いや、ただの残業」と妄言を言ってうまくかわしている。』
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「虚言」と「妄言」は似ているようで違った意味を持つ言葉であり、どんな意識で嘘をついているのかによって使い方が分かれる言葉でした。
「虚言癖」など、日常生活やニュースなどでも耳にする言葉にもなっているので、しっかりと押さえておきたい言葉です。