地質についての勉強などをしていると、ふとした専門用語の違いに頭を悩ませることもあります。
この記事では、「土質」と「地質」の違いを分かりやすく説明していきます。
間違えやすい語彙の違いを再確認して、今ある知識を深めていってください。
「土質」とは?
土質(どしつ)とは、簡単に言うと土の性質のことです。
その土がどんな土壌なのかを、確認するひとつの目安になります。
土質がわかるとこの場所にどんな歴史が刻まれていたのか、過去を知ることができます。
また土質がわかると、この地にどんな製法で建物を建てればいいのか道すじが見えてきます。
私たちが何気なく目にしている土には、実は色々なタイプがあります。
土の種類というのは「どのくらい粒子が細かいのか」によってグループが分かれてきます。
粒子が細かいものは粘土、粒子が中くらいのものはシルトや砂とよばれます。
またさらに粒子が大きくなると礫(つぶて)になります。
また土壌によっては、例えばシルトと砂が組み合わさっている物もあります。
「地質」とは?
地質(ちしつ)とは、岩や地層の状態をあらわした言葉です。
地質というとすごく難しい言葉に思えますが、私たちの暮らしている大地も岩や地層などの地質からできています。
地質を知ることによって、その土地がどんな性質をもった地盤なのか知ることができます。
家を建てる前には、地質の調査をおこない補強の工事が必要かどうか、テストをおこなうこともあります。
地質には玉石やシラス、スコリア、火山灰などの区分があります。
それぞれ記号が割り振られていて、土木地質図という専用の地図にはその場所の土地がどんな地質なのか細かくしるされています。
考古学や測量、建設の仕事をしている方にとって土木地質図は必須のマップとなっています。
「土質」と「地質」の違い
土木工学などの勉強をしていると、「土質」と「地質」という紛らわしい熟語が出てきて混乱してしまうこともあります。
正しい知識を抑えておくと、基礎力が身につき勉強がさらにおもしろく感じられます。
「土質」と「地質」の違いを、分かりやすく解説します。
・土か岩かの違い
土質は土の性質をあらわした専門用語。
対して地質は、岩盤や地層の性質をあらわした土木用語になります。
土の粒子について調べているものなら土質。
それ以外の岩や堆積物についての複雑なものなら地質になります。
・工学部と理学部の違い
工学部で学ぶのが土質。
理学部で学ぶのが地質という分け方もあります。
土質についてはおもに土木工学科で勉強をおこなうことが多く、地質については理学部の地質科で専門的にまなんでいきます。
勉強する科目によって、記し方にも差がつけられています。
まとめ
土質と地質はよく似ているので、判断を誤りやすい言葉です。
土質は土の性質のこと。
地質は岩盤や地層のタイプをあらわしています。
土質と地質をくわしく調べることで、その土地の質がわかり安心してビルや家を建てることができます。