「切に思う」
切に思うの切とは、ねんごろ、せち、心をこめて、見にしみてといった意味があります。
ねんごろとは、心がこもっている様や、親身、親密といった意味が込められているので、切に思う気持ちは、男女の深い愛の表現によく用いられるのです。
同じ思うという感情を表す言葉でも、切といった言葉を前に付け加える事によって、ただ思う状態からさらに深い念が込められるようになります。
「切に思う」の意味
切に思うの切には、心に強く思うといった意味が込められています。
だから、ただの思いというよりは、願いや念が込められているのです。
さらに極端に言うと、切という言葉には、切迫している状況が込められています。
切迫している状態なので、必至な思いだという事が伝わってきます。
「切に思う」の言葉の使い方
切に思うといった言葉には、強く念じる、ひたすら思うといった意味が込められているので、願いや大切な事に対して、自分の感情を込めて用います。
だから、ただなんとなく思った、普通に思った、感じた場合の表現の時には、切といった前置きの言葉をつけずに、ただ「思う」とだけ表現します。
「切に思う」を使った例文・短文(解釈)
「切に思う」を使った例文と解釈を紹介します。
「切に思う」の例文1
「今の私がこうしてライターとして活躍していられるのも、彼があの時書くことを勧めてくれたおかげだと切に思う」
自分が、今ライターとして活躍していられるのは、過去に彼が自分の心の中の言葉を文字として表現する事の素晴らしさ、大切さを教えてくれたおかげだと、深く感謝の念を抱いている時に、切に思うといった表現が用いられます。
切といった言葉を用いると、ただ、彼にありがとうといった気持ちよりも、深い感謝の念が溢れている様子が伺えます。
「切に思う」の例文2
「今いる職場環境から早く脱出しなければ、一生結婚できないかもしれないと切に思う」
出会いがない、仕事が急がしくて異性とデートに出かける暇もないハードな職場環境から、いち早く脱出しなければ、このまま一生結婚できないかもしれないといった切迫した気持ちの表れとして、切に思うといった言葉を用いています。
このように人生においての重大なイベントである結婚に関わる問題が絡んでくる事によって、今のままでは一生結婚できなくなるかもしれないといった恐れや不安の感情がこみ上げてきて、早く今の環境から脱出しなければいけないと、切に思うといった表現で自分の内なる不安や畏れの感情を表現しているのです。
「切に思う」の例文3
「入学式までは、桜の花が散らないようにと切に思う」
入学式といえば、校庭に咲く桜の花々を背景にして記念写真を撮るのが、昔からの習わしになっています。
だから、春一番の風や雨で桜の花が皆散ってしまっては、せっかくの入学式の記念撮影も味気ないものになってしまうので、どうしても入学式までは桜の花が残っていて欲しいといった切なる思いが込められている表現です。
桜の花は、咲く時にも、「まだ咲かないのかな?早く咲いて欲しい」とあちこちの人々から切なる思いが寄せられ、散る時にも「美しく咲いていたのに、散ってしまうのはすごく残念だ」といった切なる思いが寄せられる花の代表です。
「切に思う」の例文4
「長い年月ずっと想っていた彼に再び会いたいと切に思う」
片思いで、長い年月ずっと想い想い続けてきた彼に、再び会いたいといった切実なる願いが込められた表現をする時に、切に思うといった言葉を用います。
このように、恋愛感情という深い想いがこもっている場合に、ただ思う、想うと記すよりは、切に思うと表現した方が、それだけ深く相手の事を愛していると伝える事ができるのです。