この記事では、「重態」と「重篤」の違いを分かりやすく説明していきます。
「重態」とは?
病気やケガの程度が非常の重く、命に危険があることです。
「重」は程度がはなはだしい、「態」はさま、ようす、ありさまという意味がある漢字です。
このことから「重態」とは、ようす、ありさまがはなはだしいという意味であることがわかります。
ようす、ありさまとは、状態、状況のことです。
人の状態が重いというと、病気やケガなどの程度がはなはだしいという意味になります。
病気といっても、アトピー性皮膚炎、悪性リンパ腫、インフルエンザ、うつ病などさまざまありますが、「重篤」という言葉には、どの病気なのかという意味は含まれていません。
また、ケガにも骨折、すり傷、やけどなどさまざまなものがありますが、どのようなケガなのかは意味に含まれていません。
どういった病気やケガであっても、その程度が非常に重く、生命に危険がある状態のことを意味しています。
「重態」の使い方
人に対して使用する言葉です。
動物も病気やケガをしますが、その程度がはなはだしくて生命に危険がある状態でも、この言葉を使用することはあまりありません。
「重篤」とは?
病気の状態が非常に重いことです。
「篤」という漢字には、病気が重いという意味があります。
病気には、クローン病、子宮筋腫、うつ病などさまざまなものがありますが、この言葉にはどの病気なのかという意味は含まれていません。
どのような病気であっても、その程度がはなはだしいことを意味しています。
ある病気についても、初期の段階なら程度が軽く、末期になると重たくなってきます。
たとえば、肺がんの場合だと、ステージ1とステージ4を比べるとステージ4の方が重たいです。
また、程度についてだけを意味しており、生命が危険にさらされているという意味は含まれていません。
「重篤」の使い方
人について使用をする言葉です。
動物も病気になり、その程度が重いこともありますが、動物についてよりも人間について使用されることの方が多いです。
また、病気の状態について使用をし、ケガの状態にはあまり使用しません。
「重態」と「重篤」の違い
どちらも病気に関わる言葉です。
前者は、病気やケガの程度が重く、命が危険であることを意味しています。
後者は病気の程度が重いことです。
ケガの程度の意味は含まれていません。
また、命が危険であるという意味も含まれていません。
「重態」の例文
・『一次重態であった』
・『重態ではなさそうだ』
・『重態に陥った』
・『重態であると発表された』
「重篤」の例文
・『重篤な人を入院させます』
・『重篤で救急搬送された』
・『重篤ではない』
・『重篤になる前にケアをする』
まとめ
どちらの言葉も病気に関係しているのですが、一方は生命が危険であることの意味が含まれているのに対し、もう一方にはその意味が含まれていない点に違いがあります。