「固持」と「固辞」の違いとは?分かりやすく解釈

「固持」と「固辞」の違い違い

この記事では、「固持」「固辞」の違いを分かりやすく説明していきます。

「固持」とは?

自分の考え、信念、主張などを固く守って変えないことです。

ある人は、核兵器を持つことはよくないことだ、非核国を貫くべきだと考えていたとします。

「核兵器があれば、何かあったときに戦うことができるよ」という人がいても、自分が持っている考えを変えようとはしません。

何が何でも、この考えを守り続けようとします。

こういった、信念や主張などを固く守り変えないことを意味しています。

他者に何かを言われてすぐに変えてしまうようなことは「固持」とはいえません。

それでは、固く守っているとはいえないでしょう。

固いには、容易に崩さない、外からの力に負けない、ゆるがないという意味があります。

外からの働きかけがあっても、自分の考えなどを変えないことが「固持」です。


「固持」の使い方

自分の考え、信念、主張などに使う言葉です。

城や陣地など具体的なものを奪われないようにすることには使用しません。


「固辞」とは?

すすめられたことを固く断ることです。

自分にとって光栄なこと、利益を得られることなどを断ることや、遠慮して権利や地位などを受け取らないことをいいます。

迷惑だから受け取らないという意味ではありません。

ある人がノーベル賞に選ばれ、その賞を受け取れることになったとします。

しかし、この人は何らかの理由でノーベル賞を受け取ることを断りました。

ノーベル賞は顕著な功績を残した人に贈られるもので、それを受け取ることは光栄なことです。

自分にとって光栄なことを断っているので、この例の場合は「ノーベル賞を固辞」するということができます。

「固辞」は態度が固いことをいいます。

周囲の人が何かを言ったりして、すぐに態度を変えてしまうことではありません。

容易に態度を変えないさまを指しています。

「固辞」の使い方

ある事柄を固く断ることに使用をします。

ある事柄とは、自分にとって栄誉あること、利益になること、権利、地位などです。

何らかの理由で断っています。

不利益になること、迷惑になることを断るという意味では、あまり使用しません。

「固持」と「固辞」の違い

どちらの言葉にも「固」という漢字が使用されている通り、かたいという意味が含まれています。

違いは、何が固いのかです。

前者の言葉は、信念や考えなどが固いことです。

固く守って変えないことをいいます。

後者の言葉は、応じない、受け取らないといった態度が固いことです。

利益になること、光栄なことなどについて使われます。

「固持」の例文

・『信念を固持する』

・『方針を固持する』

・『保守的な考えを固持する』

・『本人が固持し続けています』

「固辞」の例文

・『受賞を固辞する』

・『参加を固辞する』

・『移籍を固辞した』

・『力不足を理由に固辞する』

まとめ

固いという意味合のある2つの言葉ですが、何が固いのかという点に違いがあります。

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