この記事では、「寂しい」と「淋しい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「寂しい」とは?
心が満たされず物足りない気持ちを意味する「寂しい」。
そのほか、友達や仲間などがいなくて心細い様子や人の気配がなく静まり返っている様子も「寂しい」という言葉で表現されます。
このような意味の中でも特に「寂しい」の場合、心細い様子、もの悲しい様子を意味する際に用いられます。
この「寂」には、しずか、ひっそりとしている、といった意味があります。
しずかということは、物音がない状態と言え声を出し泣いているといった「寂しい」ではありません。
「寂しい」の使い方
「寂しい」の使い方としては、もの静かでひっそりと静まり返っているという意味から「一人暮らしは寂しい」や「留守番は寂しい」、「寂しい商店街」、「寂しい気分」などとなります。
「淋しい」とは?
心が満たされず物足りない気持ちを意味する「淋しい」。
そのほか、友達や仲間などがいなくて心細い様子や人の気配がなく静まり返っている様子も「淋しい」という言葉で表現されます。
このような意味の中でも特に「淋しい」の場合、涙が滴る「淋しさ」を意味しています。
「淋」には、したたる、水をそそぐ、といった意味があり、その意味から「淋しい」の場合、「淋しい」と気に流れる水、涙を流している様子を意味するものとなります。
「淋しい」の使い方
「淋しい」の使い方としては、涙が滴る「淋しさ」を意味することから、「別れが淋しい」、「ペットが亡くなり淋しい」、「会えなくて淋しい」、「淋しい日々」などとなります。
「寂しい」と「淋しい」の違い
まったく同じ意味の「寂しい」と「淋しい」ですが、「寂しい」はもの静かな様子を意味する一方、「淋しい」は、涙が溢れ出す「淋しさ」を意味しています。
そのため、同じ「さみしい」気持ちでも、もの静かな様子なのか、涙が滴る様子なのか、によって使い分けるものとなります。
「寂しい」の例文
・『子供のころ、両親の帰りが遅く、一人寂しく留守番をしていた思い出があります。』
・『子供のころ賑わっていた商店街も、近くに大型ショッピングセンターができた今、人が少なくなり寂しい商店街となってしまいました。』
・『一人で寂しくなるとつまらないテレビでも面白く感じてしまいます。』
・『夜中に一人で、色々なことを考えていると、寂しい気持ちが溢れ出してきました。』
「淋しい」の例文
・『大好きだった彼と別れることになり、淋しくて仕方がありません。』
・『主人に先立たれ、淋しい日々を過ごしています。』
・『彼女と遠距離恋愛になり、毎日会いたくて、淋しい気持ちでいっぱいです。』
・『突然、淋しい気持ちになり涙が溢れ出してきました。』
まとめ
以上が、「寂しい」と「淋しい」の違いです。
「寂しい」は常用漢字のため、新聞や教科書などでは、この「寂しい」が用いられ、常用漢字ではない「淋しい」は、新聞や教科書などで用いられることはありません。