「衣紋掛け」(えもんかけ)という言葉をご存知でしょうか。
最近ではあまり使われなくなり、代わりにハンガーが使われていますが、昔は着物がシワにならない様、掛けるのに使われていた道具です。
今でも和装する方は「衣紋掛け」を持っている事もあります。
特に和装が主流だった頃の日本で、着物を綺麗に着こなす為に欠かせないのが、当時の「衣紋掛け」だったようです。
この記事では、「衣紋掛け」の意味を分かりやすく説明していきます。
「衣紋掛け」とは?意味
「衣紋掛け」とは、現代でいうハンガーの事で、着物を掛けるのに使われていました。
今の20代位の若い方だと、お祖母ちゃんが言うのを聞いた事があるかもしれません。
この「衣紋掛け」は、ハンガーよりも幅が広く、着物の袖を伸ばして掛けられる為、着物のシワを防ぐ事ができます。
令和に入ってからはあまり聞かれない言葉なので、昭和言葉とも言われています。
「衣紋掛け」の概要
「衣紋掛け」の衣紋(えもん)とは、着物の後ろ側の襟の事を指しています。
この部分を吊るし、干すので「衣紋掛け」と呼ばれるようになりました。
着物は丈が長く、きちんと吊るして保存しないとすぐにシワができてしまうので、そこで「衣紋掛け」が活躍したようです。
「衣紋掛け」の言葉の使い方や使われ方
現在でも、お稽古で着物を使われる方は「衣紋掛け」を持っているでしょうし、呉服屋さん等和装を取り扱うお店では、今でも「衣紋掛け」が置いてあります。
おばあさん世代の方は「衣紋掛け」という言葉を、ハンガーの代わりに使われる方もおられるでしょう。
主に昔によく使われていた言葉ですが、今でも使っている人はいるようです。
「衣紋掛け」を使った例文(使用例)
・『呉服屋さんには、様々な値段の衣紋掛けが並んでいる』
着物を売るお店には、「衣紋掛け」が今でも商品として売られていますが、上等な物は数千円する高いものもあります。
今ではハンガーの方が手軽に買えるイメージのようです。
・『うちのお祖母ちゃんは、ハンガーの事を衣紋掛けと言う』
昭和までは、和装する人が今より多く横文字言葉が少なかった為、「衣紋掛け」という言葉がハンガーよりも使われていました。
・『新しい浴衣を衣紋掛けに掛けて、花火大会まで吊るしておく』
綺麗な状態で花火大会に浴衣を着ていく為には、「衣紋掛け」が大切なアイテムになります。
当日の着こなしを良くする為に、「衣紋掛け」に袖を伸ばして吊るしておきましょう。
まとめ
この、「衣紋掛け」という言葉ですが、ハンガーに代用され、現在ではあまり使われなくなってきてはいますが、今でも着物を大切に持っている方には、保存状態を良くする為の大切な役割を担う道具です。
そんな「衣紋掛け」をもし身近で聞くことがあれば、ぜひその意味を理解しておくと、話がスムーズに伝わるようになるでしょう。
昔の言葉であっても意味を知っていれば、上の世代の方の話にも興味を持って耳を傾けられそうです。