「独り言ちる」について
この「独り言ちる」は、厳密には誤った表現なのですが、何故かこの形で使われているのを度々目にします。
「独り言ちる」の意味とは
独り言ちるとは、「独り言を言う」という意味で使われている言葉です。
「独り語ちた」が「独り言を言った」という意味の正しい言葉で、ここから変化させて作られました。
「独り言ちる」は、この「独り言ちた」から「独り言を言う」という意味にしようと無理矢理(言ちた=言ったから発想し、言ちる=言うとして)変化させたもので、先にも書いたように誤った表現となり、本来は日本語としてこのような形では用いません。
しかし、「独り言を言う」という意味で使っているケースがそれなりに見られるようになったことから、誤りでありながら、その意味で使える言葉として浸透しつつあります。
その為、若者言葉やスラングの類として考えた方がいいかも知れません(純粋な日本語としては誤りです)。
「独り言ちる」の言葉の使い方
独り言ちるは、「独り言を言う」と置き換えられるように使うのが基本です。
正しい日本語ではないので、その程度の言葉だと考えておいて構いません。
また、更に変化させた形があり、「独り言ちった」、「独り言ちっている」(独り言を言った、言っていると解釈します)と使うこともあり、これらもそういう意味で使う特有の言葉だと思ってください。
「独り言ちる」を使った例文
独り言ちるを使った例文です。
この言葉が使われる例を挙げていきますが、日本語として正しいかどうかは考えないことにします。
「独り言ちる」の例文1
「彼が独り言ちるところを見てしまった」
彼が独り言を言っている〜と使っています。
一見では普通の日本語の使い方とも見えますが、「独り言ちる」という特有の言葉を使っていると解釈してください。
「独り言ちる」の例文2
「後で文句を独り言ちるくらいなら、最初からそんなことはやらないことだ」
これも「独り言を言う」と置き換えればいいだけです。
若者の間では、この例文のような使い方がよく見られます。
やはり、若者言葉の1つだと考えていいのかも知れません。
「独り言ちる」の例文3
「『独り言ちる』をきちんとした表現にすると、『独り言つ』となるらしい」
いかにもその通りで、「独り言つ」が本当の「独り言を言う」という意味になる言葉です。
尚、「独り言ちる」は「ひとりごちる」、「独り言つ」は「ひとりごつ」と発音し、この発音から考えても、「ひとりごちる」は日本語としておかしいと分かりそうなものです。
「独り言ちる」の英語と解釈
「独り言ちる」の意味の「独り言を言う」となる英語表現は“talk to oneself”です。
「彼が独り言を言う」なら、“he talk to himself”となり、最初に「彼」の“he”、“oneself”の“one”の部分には人称代名詞の所有格か目的格が入ります。
上の「彼」の例では目的格で、「彼女」の場合も同じく“her”(所有格と一緒ですが、目的格として使っています)ですが、「自分」なら“myself”、「あなた」とするなら“yourself”となり、これらの場合は所有格なので注意してください。
「独り言ちる」の類語や類義表現
独り言ちると似た意味の言葉や表現です。
「独り言を言う」という意味に近い言葉や表現となっています。
「呟く」(つぶやく)
「独り言を小声で言う」という意味で使う表現です。
「呟いた」とすれば、「独り言を小声で言った」となり、これらはスラングでも何でもなく、れっきとした正しい日本語表現です。
「独言する」(どくげんする)
「独語する」(どくごする)と共に、どちらも「独り言を言う」と置き換えて使えますが、どちらかと言うと「独言する」の方がいいかも知れません。
それは、「独語」という表記には「ドイツ語」という意味もあるからです。