大勢の人が集まるイベントを指す言葉に「フェス」と「ライブ」があります。
どちらも普通に使われる言葉ですがこのふたつはどのように使い分けられているのでしょうか。
今回は、「フェス」と「ライブ」の違いについて解説します。
「フェス」とは?
「フェス」とは「沢山の人を集めて開かれるお祭り」を指します。
「フェス」は「フェスティバル」の略語です。
「お祭り」「祭典」「催し物」というのが本来の意味に当たりますが、一般的に「フェス」といえば特定のテーマを掲げ人を集めて行われる大規模なイベントを指します。
「フェス」の発祥とされるのが1960年代にアメリカで開催された超大規模イベント「ウッドストック」です。
それまでのイベントとは文字通りケタ違いの規模で開催されたウッドストックは単なるロックコンサートを超える熱狂に包まれ大成功に終わりました。
音楽を聞くだけでなく観客自らが積極的に参加し互いに交流し楽しむその様子から、主催者と観客という従来のイベントで見られる関係ではなくすべての人が当事者であるという姿勢を強調して生まれたのが「フェス」という表現です。
「フェス」のテーマはさまざまです。
「音楽フェス」や「ダンスフェス」などが一般的ですがそれ以外にも「フードフェス」「町フェス」など特定のテーマで開かれる大規模な参加型イベントであれば全てが「フェス」と呼ばれます。
「フェス」の使い方
・大規模なロックフェスが2年ぶりに開催された。
・フェスの参加者はアルコールを楽しんだ。
・ルールを守らない参加者はフェスの厄介者である。
・参加者のマナーの悪さにフェス終了後あちこちから非難の声がぶつけられる。
「ライブ」とは?
「ライブ」とは「観客の目の前で生のパフォーマンスを披露する事を目的とした集会」という意味の言葉です。
「ライブ」とは「実演」「生演奏」など観客の目の前で実際にパフォーマンスをしてみせることを意味します。
そのような生で技術を披露するために開かれるイベントが「ライブ」であり、リアルタイム性や実演性を強調する際に使われる言葉です。
最近では「フィルムライブ」など必ずしも実演ではないケースで使われることもありますが。
この場合はパフォーマンスではなく観客がフィルムを鑑賞するという体験をリアルタイムで共有するという意味合いで「ライブ」という言葉を使っています。
「ライブ」の使い方
・アイドルのライブを見に行く。
・ライブのMCが面白い。
・台風の影響でライブの開催が危ぶまれる。
・ライブ会場は大変な熱気に包まれた。
「フェス」と「ライブ」の違い
「フェス」と「ライブ」の違いは楽しみ方の違いです。
「フェス」で重視されるのは参加者の積極的な参加意欲です。
音楽やダンスなどテーマそのものを楽しむだけでなく参加者同士の交流や現場でしかできない体験など同じ場所で同じ時間を共有するという参加体験そのものを楽しむのが「フェス」の目的です。
演奏や展示物の見学などは楽しみのひとつであり全てではありません。
「ライブ」の目的はパフォーマーの実演です。
音楽演奏やダンスの披露、園芸やトークなど観客は披露されるパフォーマンスを目当てに集まります。
観客同士の交流は少なく、演者と観客という関係が重視されています。
まとめ
「フェス」と「ライブ」は似ているようで違う言葉です。
同じ場所で開催されるイベントでも目的や内容により厳密に区別されることも多いので、言葉の意味に注意して使い分けてください。