同じように見えても、フタを開けるとまったく異なる意味をもつ言葉もあります。
この記事では、「指針」と「指標」の違いを分かりやすく説明していきます。
言葉の線引きを楽しんでみてください。
「指針」とは?
指針(ししん)とは、これから進むべき目標のこと。
どうあるべきか、書いたものです。
もっと簡単に言い表すのなら、ハウツー本やガイドブックを思い浮かべると分かりやすいです。
もともと「指針」というのは、コンパスの針のこと。
山歩きやハイキングの時に用いられる、方位磁石の針をあらわしています。
モヤがかかった山の中で自分勝手に歩いていると、居場所がわからなくなって迷子になります。
コンパスの針が正しい位置を教えてくれるからこそ、安全に進むことができるのです。
指針が方向をあらわす針であることから、現代では「よりどころ・ガイドライン」といった意味合いでもつかわれます。
具体的には「政府が規制の指針を発表した」や「教育委員会が学級閉鎖についての指針を公開した」があります。
「指標」とは?
指標(しひょう)とは、数値や目じるしのこと。
おもに判断や評価をおこなうときに用います。
どう考えていいか分からないときに、参考にしたい値のことです。
経済界では指標をもとに、色々なジャッジをおこなっています。
ちなみに指標とは、カーソルのこと。
計算尺とよばれる、物差しについている部品を指しています。
カーソルが付いた物差しだからこそ、数値を正しく読むことができます。
このことから、難しいことを正確に判断するためのツールとして指標が用いられています。
経済指標情報、KPIとしての指標、ライフスタイルの指標。
指標を用いた言葉は、世の中にはたくさんあります。
より具体的な数値を入れた目標を、指標ということが多いです。
「指針」と「指標」の違い
どちらも「指」という言葉が付いているので、間違って使用してしまうことがあります。
「指針」と「指標」の違いを、分かりやすく解説します。
・指針は抽象的、指標は具体的
指針も指標は方位磁石の針と、物差しのカーソルから来た言葉。
どちらもこれから進むべき道をあらわしたものです。
ただその内容は少しずつ異なっています。
指針がこうあるべきというやや抽象的な内容であるのに対して、指標はより具体的な数値を入れたもの。
そのため政府の大まかな方針には「指針」を。
企業の目標設定には「指標」を用います。
ぼんやりしている目標には指針を。
より具体的な数字が混じっているものは指標となります。
まとめ
「指針」と「指標」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらもニュースでよく聞く言葉です。
指針はあるべき方向性を示したもの。
行動の目安を伝えるものです。
対して指標は、より具体的な目標値のことです。
政府の演説や経済界の動向で「指針」と「指標」はよく用いられます。
正しい違いを認識しておき、理解を深めていきましょう。