この記事では、「魚の目」と「いぼ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「魚の目」とは?
「魚の目」【うおのめ】とは、足の裏の皮膚の一部が硬くなって痛みを伴う病変のことです。
「うおのめ」という名前は、硬くなった角質(皮膚の表面を覆う皮膚細胞)の中央に白い点があり、見た目が魚の目に似ているためです。
鶏の目にも似ていることから「鶏眼」【けいがん】とも呼ばれます。
「魚の目」は、皮膚の防御反応によって起こる病変です。
角質は、刺激を受けると硬く厚くなって内部を守ろうとする性質があります。
そのため、足の裏の同じ部位に過度な刺激や圧迫が加わると、角質が厚くなって円すい形の芯が形成されます。
その芯が成長すると神経を圧迫するため、歩く時に鋭い痛みを感じるようになるのです。
「魚の目」が自然に消えることはなく、痛みで生活に支障をきたすようになるので、気付いたら早めに治療をする必要があります。
治療はもっぱら魚の目の芯を除去することです。
サリチル酸を配合した薬剤を使って角質を柔らかくし、芯を削ることで痛みは起こらなくなります。
皮膚科では、液体窒素やレーザー光線を使って魚の目を除去することもあります。
「魚の目」ができるのは、サイズの合わない靴を履いたり、ヒールの高い靴を長時間履いたりして、足の裏に不自然な負担がかかるためです。
「魚の目」は再発しやすいので、「魚の目」ができやすい人は靴の選び方を見直す必要があります。
「魚の目」と似ているものに「たこ」があります。
たこは刺激や圧迫によって角質が硬くこぶのようになる病変で足の裏以外にも生じます。
「魚の目」と違って芯はないので痛みは感じません。
「いぼ」とは?
「いぼ」は、痛みを伴わない突起ができる皮膚の病気です。
医学用語では「疣贅」(ゆうぜい)と呼び、主にウイルス性のものと加齢によって起こるものがあります。
ウイルスの感染によって起こる「いぼ」は「ウイルス性疣贅」といい、皮膚の小さな傷にウイルスが感染することで発症します。
ウイルスの型によって「いぼ」の性質も異なり、柔らかくて粟粒上の「いぼ」がたくさんできる「水いぼ」や平たく色の薄い「いぼ」ができる「青年扁平疣贅」などがあります。
手足の指、顔など全身のさまざまな所にできるところが特徴です。
また、中高年以降になるとウイルスに関係なく「脂漏性角化症」とよばれる「いぼ」ができやすくなります。
原因は加齢や紫外線で、褐色から黒色のほくろに似た「いぼ」が加齢とともに増える特徴があります。
「いぼ」の治療法は液体窒素やレーザー光線などによって組織を破壊する方法が主流です。
ウイルス性の「いぼ」は免疫力が向上すると自然に治ることもありますが、放置すると数が増えたり「いぼ」が成長したりするので、早めに皮膚科を受診して専門治療を受けることがのぞましいです。
「魚の目」と「いぼ」の違い
「魚の目」と「いぼ」の違いを、分かりやすく解説します。
「魚の目」は足の裏の角質が硬く厚くなって芯ができる病変です。
原因は過度な刺激で、芯が神経を圧迫するので歩く時に強い痛みを伴います。
一方、「いぼ」はウイルス感染または加齢が原因で発症し、足の裏以外にもみられます。
痛みはありません。
時間の経過によって増えたり大きくなったりすることがあります。
「魚の目」も「いぼ」も、皮膚科の治療を受けて早めに治すことがのぞましいです。
まとめ
「魚の目」と「いぼ」はどちらも角質が盛り上がって硬くなるので外見が似ていますが、全く別の病気です。
自然に消えることはないので、気付いたら早めに受診して適切な治療を受けましょう。