日本は民主国家ですから「話し合う」ことがとても大切にされています。
社会人になると、会議や議論に参加する機会も増えてきます。
話し合いにもいろいろな種類がありますが「○○について「協議」します」、「××について「討議」しました」と言われた場合、その違いが明確に分かっているでしょうか。
この記事では、「協議」と「討議」の違いを分かりやすく説明していきます。
「協議」とは?
「きょうぎ」と読みます。
みんなでより集まって、相談することです。
話し合って何かを決めることや、話し合い自体を意味します。
似た言葉に、会談、会合、談合、合議、審議、評議、評定、打合会(うちあわせかい)、密談、内談、などがあります。
「協議」の使い方
「協議」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『欧州各国は、長年、移民の問題を「協議」してきました』 ・『弁護士の立ち合いのもと、夫妻は「協議」離婚に至りました』 ・『三者「協議」の末、合意に達しました』 ・『市民団体の要望を受けて、都市開発における環境保護についての「協議」の場が設けられました』
「討議」とは?
「とうぎ」と読みます。
あることについて、互いに意見を出し合い、戦わせることです。
論じあうことで、ディスカッションを意味します。
討議が行われる有名な場所は「国会」です。
議員が厳しい口調で自分の考えを述べている様子を、テレビ中継でみたことがある人もいるでしょう。
あれが討議の光景です。
似た言葉に議論、論議、論争、論戦、激論、問答、水掛け論などがあります。
「討議」の使い方
「討議」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『国会は、新しい政策について「討議」を重ねています』
・『災害における緊急支援対策を「討議」していますが、まだ具体的な案は出ていません』
・『あのゴルフクラブは経営難に陥り、今後の方針を「討議」している最中らしい』
「協議」と「討議」の違い
「協議」は、ある課題について話し合い、落としどころや結論を出すことを目的としています。
例えば、「映画祭の審査のあり方について「協議」する」とした場合は、「こういう審査方式でやります」という答えまで導き出すことを期待されています。
一方、「討議」は自由に意見や考えを述べあう場です。
必ずしも結論までたどり着く必要はありません。
例えば「映画祭の審査のあり方について「討議」する」とした場合は、「こんな審査基準はどうか」、「あの審査方法を試してみよう」、「それは時代遅れだ」など、自由に意見やアイディアを出すことを期待されています。
「討議」に参加する場合は、活発に意見を言うことを求められ、「協議」に参加する場合は、自分の考えを妥協させることになっても、皆での「合意や結論」に至ることを期待されていると考えてください。
まとめ
「討議」と「協議」は私たちの身近な会議スタイルです。
自分で参加することもあるでしょう。
二つの言葉の違いを正しく理解して、会議の目的や意図を間違えないようにしましょう。