「蒸発」と「沸点」の違いとは?分かりやすく解釈

「蒸発」と「沸点」の違いとは?違い

この記事では、「蒸発」「沸点」の違いを分かりやすく説明していきます。

「蒸発」とは?

「蒸発」には2つの意味があります。

一つは、液体がその表面から気体になる現象です。

この現象は身近なところで起こっています。

たとえば、水です。

水をヤカンに入れて火にかけてしばらくすると、水の表面から煙のようなものがでてきます。

このときに水が「蒸発」をしています。

煙のようなものが見えなくても、この現象は起こっていることがあります。

パンをラップもせずに放置をしておくと、パン表面から水分が出ていきます。

すると、パンがパサつきます。

この言葉が指す現象によってパサついてしまうのです。

もう一つの意味は、人の行方がわからなくなることです。

知らない間にいなくなること、家を出て行方がわからなくなることをいいます。

液体が気体になると、もとの物質がどこに行ったのかわからなくなります。

そこから転じた意味です。


「蒸発」の使い方

物質についてや人について使用する言葉です。

物質については、液体から気体への変化のことで、固体から気体になることや、気体から液体になることには使用しません。

人については俗ないい方になります。


「沸点」とは?

液体が沸騰しはじめる温度のことです。

沸騰とは、液体が気体へと変化する現象が、液体の表面からだけでなく、液体内部でも起こっている状態をいいます。

この温度は物質によって異なります。

たとえば、スズは2602℃、金は2856℃、銀は2162℃、水素は-252. 879℃です。

非常に高い温度にならないとこの温度に達しない物質もあれば、常温よりも低い温度でこの温度に達する物質もあります。

水をヤカンに入れて火にかけてしばらくすると、水の内部からボコボコと泡が出てきます。

このときに沸騰をしています。

沸騰しはじめる温度が「沸点」です。

「沸点」の使い方

液体が気体に変わりはじめる温度を指して使用する言葉です。

表面からだけでなく、内部でも気体への変化が起こっています。

液体のことだけでなく、「怒りの沸点」など人間の感情について使うこともあります。

水が「沸点」に達すると、盛んに気体が出てきます。

この時のような激しい状態を指しています。

「蒸発」と「沸点」の違い

どちらの言葉も物質の変化に関係しているのですが、同じことではありません。

「蒸発」は液体の表面で起こる現象です。

液体内部の現象を指しているのではありません。

「沸点」は温度のことです。

液体が表面や内部で気体に変わっています。

「蒸発」の例文

・『水が大量に蒸発する』
・『ラップをして水分の蒸発を防ぐ』
・『息子が蒸発してしまった』
・『海水を蒸発させる』

「沸点」の例文

・『沸点に達した』
・『沸点になるまで加熱する』
・『沸点は35℃です』
・『この液体の沸点は何度ですか』

まとめ

物質の変化に関係する2つの言葉ですが、一方は現象を指しており、もう一方は温度を指している点が異なります。

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