魚は私たちの身近な食材ですが、冷凍してあったり、さばいてあったり、カットしてある調理用の魚が増え、丸一匹の魚を目にする機会は減りました。
魚の見分けや区別に自信をもてない人はたくさんいるでしょう。
特に見た目が似ている魚に「カレイ」と「ヒラメ」があります。
正しく見分ける方法を、現代の人はあまり知らないかもしれません。
この記事では、「カレイ」と「ヒラメ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「カレイ」とは?
カレイ科の硬骨魚(全身の骨格が硬骨で構成されている魚)の総称です。
体は扁平で卵形、頭部はねじられています。
普通は、両眼が体の右側に集まっています。
しかし、ヌマガレイ(眼が左側にある)のような例外もあり、外国産など生息地によって違いがあるので、必ずしもそうとは限りません。
色ですが、眼のある側は褐色で海底の色に似ており、眼のない側は白色です。
砂底に生息し、小魚や小さな甲殻類などを食べています。
マガレイ・イシガレイ・マコガレイ・ムシガレイなど、日本近海だけでも40種類以上の多くの種があります。
平均的な大きさは25~30センチメートルで、年数を経るごとに大きくなります。
「ヒラメ」とは?
ヒラメ科・ダルマガレイ科の海魚の総称です。
体形は平たくて楕円形で、普通は両眼とも体の左側にあります。
全長80センチメートルを超えるものもあり、色は眼がある側は、暗褐色で、黒褐色と白色の小斑紋がついています。
眼がない側は白色です。
生きた魚を丸のみにすることもあり獰猛な食性を持っています。
口がカレイに比べて大きく開くので「オオグチガレイ」と呼ばれることもあります。
日本各地の近海の砂底にすみます。
食用としては冬が旬です。
小形のものを「そげ」といい、千島から南シナ海にかけて広く分布しています。
「カレイ」と「ヒラメ」の違い
それでは「カレイ」と「ヒラメ」の違いを、改めて整理してみましょう。
眼の位置が違います。
カレイもヒラメも体の片側に両目が集まってついています。
まな板の上で、眼がついている側を上に置いたときに、魚の頭が右側にくるのが「カレイ」、左側にくるのが「ヒラメ」です。
口の形が違います。
「カレイ」は「ヒラメ」に比べて大人しい食性なので、口も肉厚で柔らかく、歯も小さく、あまり開きません。
一方「ヒラメ」は鋭い歯を持っていて、大きく開きます。
味や調理法に違いがあります。
「カレイ」はコクがあり、煮つけや揚げ物としての利用が好まれます。
「ヒラメ」はさっぱりした味わいで、刺し身やしゃぶしゃぶが人気です。
まとめ
この記事では「カレイ」と「ヒラメ」の違いをみてきました。
どちらも楕円形で平べったく、茶色系の魚で、よく見ないと区別がつきません。
「左ヒラメに右カレイ」という言葉があるくらいですから、昔から見分けに苦労する人が多かったのでしょう。
眼の位置や、口の形、好まれる調理法に違いがあります。
私たちの食生活において、長く愛されてきた身近な魚なので、正しい知識を伝えていくべきでしょう。