「消化」と「昇華」の違いとは?分かりやすく解釈

「消化」と「昇華」の違いとは?違い

日本語の中には同じ読み方をしても全く異なる解釈をする言葉が数多くあります。

いわゆる「同音異義語」と呼ばれているものですが、「消化」「昇華」のその1つでしょう。

「しょうか」と読むこの2つの言葉はどのような意味を持っているのでしょうか? そこでこの記事では、「消化」「昇華」の違いを分かりやすく説明していきます。

「消化」とは?

「消化」には大きく2つの意味があります。

1つ目は「体内に取り込んだ食物が吸収しやすいように液体状にして細胞が利用できる形態にする生理的な働き」という意味です。

2つ目は. 「十分によく理解して自分のものにすること」「するべきことを十分に処理すること」、ないしは「こなれること」「こなすこと」という意味になります。


「昇華」とは?

「昇華」も2つの意味を持っていますが、1つは「固体が液体にならずに直接気体になること」という意味で、2つ目は「ある状態からさらに高度な状態へ飛躍すること」という解釈です。


「消化」と「昇華」の違い

では、ここで「消化」「昇華」の違いを整理してみましょう。

「消化」「生体が体内で食物を吸収しやすい形に変化させること」「その過程のこと」を指していました。

この他にも「理論・知識などを十分に理解して自分のものとして身につけること」という意味もあることから、「在庫になった商品を完売する」という意味で使われたり、「本の内容を消化する」という使い方もできます。

「昇華」は化学用語として「固体が液体状態を経由せずに直接気体になること」という意味で使われています。

この他、精神分析の用語としても使われており、「性的エネルギーや他人に対して攻撃的になる欲望を全く異なる学問分野やスポーツ・芸術・宗教などの活動に転換されること」でも使われるのです。

「消化」の例文

「消化」の例文は以下の通りです。

・『昨日、あまりにも美味しそうな食事を出されたので食べすぎで消化不良を起こしているんだ』
・『かなりハードな日程だったが、何んとか消化することができたよ』
「消化」の例文を見ると、「食物を吸収しやすい形に変化させる」「自分のものとして身につける」という意味での使い方ができることが分かります。

「昇華」の例文

・『ドライアイスは常温でも昇華してしまいますよ』
・『瞑想を続けてきたおかげで心に宿っていた怨念を昇華させることができました』
「昇華」の例文は特に2つ目は「より高次元のものへ高めること」という意味で使われます。

精神分析学の分野では「心の中に湧きおこる不満・怨恨などを高尚な対象の情熱に転換する」という意味で使われることが理解できます。

まとめ

ここまで「消化」「昇華」の違いを見てきましたが、2つの言葉が同じ読み方であってもかなり意味合いが異なることが理解できたかと思います。

このように意味が違う日本語はまだまだたくさんありますので、触れる機会がある度に1つひとつ確認しておくことが大切です。

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