この記事では、「演出」と「ヤラセ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「演出」とは?
「演出」とは、「えんしゅつ」と読み、何かを表現する際にその表現方法について装飾や動きなど加え、元の表現からさらに良くしようとする方法のひとつです。
「演出」の方法は多岐に渡り、例えば舞台などの演劇では、声に抑揚をつけ感情を強く表現したり、爆発などが舞台上で起こったりした場合に、爆発音を鳴らしたり、様々な「演出」の方法があります。
テレビ番組などでも多用され、「テロップ」と呼ばれる出演者が発した言葉を視覚でも確認できるように、発言が文字で表示される効果も、ひとつの「演出」と言えます。
「演出」は、物事の表現を良く見せる効果を狙って行われる手法であるため、過剰になりすぎてしまう場合があります。
あまり「演出」が過剰になりすぎてしまうと逆効果になってしまう恐れもあるため、「演出」のバランスは非常に重要と言えます。
「ヤラセ」とは?
「ヤラセ」とは、主にメディアで行われる行為で、事実に基づいていない事柄について、それを作為的に捏造し、さらにその事実を隠匿し、あたかも事実であるかのように表現や報道する事を指します。
「ヤラセ」のイメージは非常に悪く、過去に「ヤラセ」を行ったとされているバラエティー番組等は、極めて悪い評価となり番組が終了となってしまったケースも少なくありません。
過去に「ヤラセ」が発覚して番組が終了となった有名な例を挙げると。
1985年に放送されていた番組において、番組関係者が暴走族にリンチを依頼し、事情を知らない中学生5人が、実際にリンチされるという映像を撮影、放送しました。
リンチを依頼した番組関係者は暴力行為教唆容疑で逮捕、この事件を受けて制作局は放送免許の更新を拒まれるなどし、社会的に大きな問題となりました。
このように「ヤラセ」は犯罪に発展する場合があり、論理的な意味でも非常に問題のある行為だとされています。
「演出」と「ヤラセ」の違い
「演出」と「ヤラセ」に違いについては、非常に多くの議論がなされているのが現状です。
どこまでが「演出」で、どこからが「ヤラセ」に当たるのかは、明確な基準は存在しません。
この議論については多くのメディア関係者や、芸能関係者によって語られているのですが、人によってその認識には差があり、意図的に捏造していたら全て「ヤラセ」であると主張する人もいます。
「ヤラセ」は基本的に視聴者が「だまされていた」と思う事が条件であり、「だまされていた」事に対する負の感情が多く働くため、「ヤラセ」に対して強い嫌悪感を抱きます。
今後も「演出」と「ヤラセ」の境界線については議論されていくでしょう。
「演出」の例文
・『この舞台の演出にとても感動し涙してしまった』
・『派手で豪快な演出ほど、心が揺さぶられる』
「ヤラセ」の例文
・『テレビ番組で紹介されていたダイエット方法は、実はヤラセだったことが発覚した』
・『毎週欠かさず見ていたバラエティー番組が、ヤラセ疑惑で終了してしまった』
まとめ
「演出」と「ヤラセ」の境界線については、現在も議論されており、「演出」があまりに過激で過剰になると「ヤラセ」に繋がってしまいます。
「ヤラセ」が問題となった場合に、関係者が「演出の延長であった」などと弁明する事も少なくありません。
「演出」か「ヤラセ」かを判断するのはそれを見ている視聴者であり、「演出」のバランスが重要と言えるのではないでしょうか。