この記事では、「失血」と「出血」の違いを分かりやすく説明していきます。
「失血」とは?
「失血」(しっけつ)は、漢字から「血を失う」との意味があると分かります。
しかし厳密にいうと「出血により多量の血液を失うこと」になります。
転んで膝をすりむいたり、指を包丁で切ったりしてちょっと血が出たような状態は「失血」とは言いません。
「失血」というのは、多量の出血で生命に関わる状態を示します。
全血液の3分の1以上を失うと危ないとされているので、輸血が必要になります。
もし出血量が多くて亡くなってしまったら「失血死」となります。
英語では「loss of blood」「blood loss」と表現します。
「失血」の使い方
「失血」は多量の血が失われていることを表します。
「失血する」と使われる他に、「失血によるショック死」などの表現もあります。
「出血」とは?
「出血」(しゅっけつ)は漢字が表す通り「血が出る」ことを意味します。
もう少し医学的に説明すれば、血管内を流れている血液が何らかの原因で血管外に出ることです。
さて「出血」の原因は色々あります。
転んだり、ぶつけたり、切ったりと、外傷的原因での「出血」もあれば、病気が原因で「出血」することもあります。
また「外出血」と「内出血」と言うように、目に見える「出血」と目に見えない「出血」もあります。
他にも吐血、喀血、下血、血尿、脳出血など、身体の部分により出血の呼び方が異なります。
「出血」は多くの場合で身体の不調と関係が深いので、原因不明の出血があった場合には、医師の診察を受けることが大切です。
ちなみに「出血」は英語「bleeding」と表現します。
「出血」の使い方
血が出ている状態は「出血する」と表現します。
また血を止めることは「止血」になります。
面白い使い方として「出血大サービス」があります。
これは赤字になる程、値段を下げて売っている、つまり「自分が犠牲になるほど=出血するほど」という意味があります。
「失血」と「出血」の違い
「失血」と「出血」は(しっけつ)と(しゅっけつ)で、発音が似ている言葉です。
同じような意味だと思われがちですが、「失血」は大量の「出血」が原因でなる状態です。
つまり「失血」は命に関わる危険があります。
しかし「出血」は血が血管外に出ていることを示します。
針で指をさしてほんの少し血が出ても「出血した」と言えますし、ナイフで指を切ってたくさん血が出たときも「出血」となります。
もちろん命に関わるほど大量に出血してしまえば、それは「失血」です。
まとめ
「失血」と「出血」はどちらも「血」に関わる言葉です。
血液は私たちの生命を維持するのに欠かせないもので、大量に失ってしまうと生命維持が難しくなります。
もし何らかの事故で出血した場合には、止血を試みることが大切です。
また病気が原因で出血するケースも多いので、吐血、喀血、下血などの症状があれば、医師の診察を受けるようにしましょう。