この記事では、「振るう」と「奮う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「振るう」とは?
「振るう」とは「ふるう」と読み、力を発揮するという意味を持ち、具体的には自分の拳などの力や、道具などの武器を大きく動かす事を指し「拳を振るう」や「武器を振るう」などと使用されます。
また、能力などを発揮するという意味を持ち合わせており、「権力を振るう」や「能力を振るう」などもこの「振るう」が使用されます。
他にも「台風が猛威を振るう」などとも使われ、台風の力が強く及んで影響を及ぼしているという意味があるため、こちらの「振るう」が使用されます。
「振るう」の「振」という漢字は、振って動かすという意味があるため、そのような動作が関係する言葉に「振」という漢字が使われ「振動する」などが当てはまります。
「奮う」とは?
「奮う」とは「ふるう」と読み、気力を沸き立たせたり、気持ちが盛んになるという心の動きを主に表している言葉です。
「ふるいたつ」という意味が含まれる漢字である「奮」が使用され、その意味がそのまま気持ちがふるいたつという意味になっています。
具体的には、「勇気を奮う」や「気持ちを振るう」など、気分や心の持ち方を向上させるような意味を持ちます。
これが転じて、「積極的に」という意味でも使われ「奮って応募する」などは「積極的に応募してください」という意味になるという事です。
「振るう」と「奮う」の違い
「振るう」と「奮う」の違いは、「振るう」は、力や武器を使って振って動かす動作を指します。
対して「奮う」は、気力や気持ちなどの心情の部分が盛んになるという意味を持ちます。
そのため、同音異語として使い分けが難しいですが、前後の文脈や言葉の意味を理解してどちらが好ましいかを選択する必要があります。
「振るう」の例文
・『彼女は暴力を振るわれたようで号泣していた』
・『王は権力を振るい、暴君の限りを尽くしたため、民衆からの強い反発が起きた』
・『彼は剣を振るい勇敢に戦ったのだが、力は及ばなかった』
「奮う」の例文
・『気持ちを奮い立たせて試験勉強に取り組む』
・『今回は当選者が多いので奮って応募してください』
・『今週末に行われるダンス大会の参加者が少ないようで、運営側が奮って参加して欲しいと呼びかけていた』
まとめ
同じ発音で言葉として話す分には問題ありませんが、文字として書く場合には「振るう」と「奮う」は明確な違いがあります。
武器や力などの物理的な物を大きく振って動かす動作を表す場合は「振るう」、心情や気持ちを盛んにするという意味では「奮う」を使用します。
その他にも力が大きく影響を及ぼしている場合には「猛威を振るう」などと使用すれ、「奮う」に関しても、積極的にという意味で「奮って参加する」というような使われ方もされます。
文字として書く場合には、文脈などを判断し適切な「ふるう」を使用する必要があります。