「耽美」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「耽美」とは?意味と使い方

インターネットや本を見ていて「耽美」という単語を見かけても、読み方がわからなかったり、意味がなんとなくしかわからなかったりした経験はありませんか?

この記事では「耽美」の意味をわかりやすく説明していきます。

「耽美」とはどういう意味?

耽美は「たんび」と読みます。

「耽」には、物事にふける、深入りする」という意味があるため、「耽美」は、美に深入りする、美にふける、というように使用されます。

単に美しいもの、というニュアンスではなく、「美しいもの」「美」を最も価値の高いものだとして美を追求し、その世界に夢中になり酔いしれる、という意味を持っています。

日常生活ではあまり使用されない単語ですが、文章では使われることがある単語です。


「耽美」の使い方や使われ方

耽美はただ単に美しい、という時には使用せず、うっとりと陶酔している時に使用します。

また、一般的な「美」ではなく、毒を持った美や背徳的な美、狂気的な美に対して使われます。

例えば、
・この物語は、耽美な雰囲気がある
・彼女が書く小説は、耽美な文章でおおくの人を惹きつけている
・彼女の白い肌を伝う雨のしずくが実に耽美だった
などです。

また、「耽美」「主義」「派」など特定の単語と組み合わせて使われることもあります。

例えば「耽美派」は、道徳や常識にとらわれず、「美」のみを追求する文学のこと。

日本では谷崎潤一郎や三島由紀夫、永井荷風、夢野久作、泉鏡花、外国ではオスカー・ワイルド、レオポルド・フォン・ザッハー・マゾッホ、ピエール・ロティ、エドガー・アラン・ポーなど有名な作家を多く輩出しています。

「耽美主義」は、「美しいこと」が最も重要とされる芸術や生活上の思想を言います。

そのためには、耽美派と同じく道徳や常識、政治などにはこだわりません。

耽美派や耽美主義は、一般的には芸術や美術の分野で使われますが、現代ではそこから派生してスポーツ界や政治界などでも使われています。


「耽美」の類語や言いかえ

「耽美」の類語には、「唯美(ゆいび)」「甘美(かんび」「審美(しんび)」などが挙げられます。

「唯美」は、「美」こそが最もの価値が高いこと、という意味で、「彼は唯美主義だ」「この風景は唯美だ」などと使われます。

「甘美」は甘くて美味しいことや、甘くて我を忘れること、快く感じること、を指します。

「こんな甘美な食べものを食べたことはない」「彼女の声は天使のささやきのような甘美さを持っている」などと使用されます。

「審美」は自然や芸術の本当の美しさを見分けること。

「彼の審美眼は確かである」「この作品は審美眼を持っている人にしかわからないだろう」などと使用されます。

まとめ

「耽美」はただ「美しい」だけでなく、陶酔するほど美しいさまや、道徳や常識などにもとらわれない美しさ、という意味合いがあるので、正しい意味や使い方を知らずに使うと、意図しない捉え方をされてしまいます。

正しい意味や使い方を学んで、的確に使うと文章や会話がセンスアップするので、ぜひトライしてみてください。

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