会社で耳にする表現には、不明瞭な言葉もあります。
この記事では、「都度」と「適宜」の違いを分かりやすく説明していきます。
アバウトな言葉を、正しく知っていきましょう。
「都度」とは?
都度(つど)とは「毎回」のこと。
その度ごとに、もらさず全部おこなうことです。
これからも同じように進めて欲しいとき、今回のパターンを繰り返して欲しいときに用います。
「都度」の漢字には「都」という文字がはいっています。
「都」には「すべて」という意味があります。
そして「度」は「回数」という訳があります。
つまり都度で、すべての回のこと。
もれなく毎回おこなうことです。
仕事では「その都度、ご確認をお願いいたします」などと使います。
これは「毎回、きちんとチェックしてください」の丁寧な表現です。
「毎回、確認してください」だとあまりにストレートな物言いに聞こえてしまうので「都度」というオブラートに包んだ表現に言い換えているのです。
言いたいことは主張しつつ、相手に傷を与えすぎないのが「都度」という便利な言い回しです。
「適宜」とは?
適宜(てきぎ)とは、場に従って臨機応変な行動をおこなうこと。
ほどよい回数で済ませることです。
信頼している相手に、仕事をゆだねる言い方が「適宜」になります。
適宜の「適」は、ふさわしいこと。
そして「宜」はよろしいことです。
つまり物事がよろしく進むように、その場にあった「ふさわしい行い」をすることが「適宜」になります。
ルールやマニュアルは無いけれども、自分の頭で考えてベストな対応をとるのが適宜です。
仕事の現場では「適宜、ご連絡をお願いいたします」などと使います。
この場合の「適宜」というのは、仕事の状況に応じて「報告した方がいいと思ったことは、報告してください」という意味になります。
物事の重大さを自分で判断して、行動することが「適宜」です。
「都度」と「適宜」の違い
どちらも仕事の場で、よく耳にする表現です。
「都度」と「適宜」の違いを、分かりやすく解説します。
・毎回の「都度」、不定期の「適宜」
都度と適宜は、どちらも「どこからどこまで」という明確なルールがないので、分かりにくいです。
都度は「毎回」という意味があります。
コンスタントに続けて、同じことをおこなう様子をあらわします。
「その回ごとに必ず」というニュアンスが含まれるので、念には念をいれて欲しいときに用いられます。
また「適宜」は「都度」よりも、ゆったりとした表現になります。
「その場にあった、ほどよい回数」を適宜といいます。
それぞれのベストなタイミングで、仕事をおこなうことです。
より強制力が強いのが「都度」。
仕事相手の自主性を尊重しているのが「適宜」です。
まとめ
「都度」と「適宜」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも会社でよく耳にする表現になります。
都度とは「毎回」のこと。
その度ごとに、必ずおこなうことです。
また「適宜」とは、その場その場の判断でおこなうこと。
決まりに縛られず、ベストなタイミングでおこなうことです。
うやむやな言葉を正しく知って、仕事力を上げていきましょう。